時代小説家にして“まどマギ初見おじさん”のエッセイ集

 時代小説を日々探求する筑前筑後さんのエッセイ集です。
 ネットでは、『まどかマギガ』初見時の初々しい反応が、硬派でストイックな時代小説書きというギャップを生んだことで注目を浴びましたが、エッセイ面白んだからそりゃ人気になるよなって実感いたしました。
 創作論、日々の生活、何故時代小説を書くのかが、生き生きのびのびと描かれています。

 WEB小説というのは、流行り廃りがジャンルごとにあり、注目を浴びないときはピクリとも動かず、落ち込むし、腐るときだってあります。
 しかも、WEB小説ならではの流儀とルールがあって、まだまだ難しいです。
 腐らないなんてこと、きっとできませんが、腐ったって一時的なもんっていう前向きさが日々を生きる豊かさなんだなと感じることができました。

 『まどマギ』、可愛い絵柄で陰鬱な展開もあるアニメですが、偏見なく楽しもうという前向きな姿勢と、素直に綴った感想ツイートの筆力が注目集まる理由だったのだとわかるエッセイでした。執筆者自身とその周囲っていう、人間の書き方の視点からも面白かったですし、軽妙な筆致で楽しめます。
 拙作を品評して頂いたので、念真流サーガの続き読もうと検索したら一気に読んじゃったので、これはレビューするしかないと思った次第です。