第45話 恋のライバル? (15)

(本文)


「はっ、はい。……分かりました……」


 主神オーディンに、返事を返すオッタルだが。その後は、下を向き俯いて──真っ白な床と、にらっ目っこをしながら。自身の力のなさに涙を噛み締める……。

(どうして、僕には力がないんだよ。自分の愛する女性一人も独占する事が出来ないなんて……。でも多くの神々達に逆らって、僕もオーズ様のようにはなりたくはないし……)


 ……ん? あれあれ? オッタルの大きな口から、フレィアの夫でもあるオーズの名が出たではないか。もしかして二人は面識があるのだろうか?


 特に二人の立場は、正真正銘の夫と、恋人なのだと思うのだが?


 う〜ん、どういった事なのだろうか?


 前世の小津は妻であるフレィアの浮気を公認していたのだろうか?


 恋人だと名乗るオッタルはいるし、先程を主神オーディンが発していた言葉も、とても気になる内容だしな。


 う~ん、それに神々が住むアースガルズの仕組みも良くは分からない……。


 だって人の女房を、全世界の雄達の性の象徴だと、モノ申すのもどうかと思うが? 更に酷いのは、小津の妻でもある女神フレィアを。神々の姓のはけの為の玩具おもちゃだと、平気で言葉に出すのは。いくら主神だとしても、どうかと思うぞ?

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