第36話 恋のライバル? (6)

(本文)


〈ドドド…ドドド……〉


「ホネホネ……‼」


「キキ‼」


「ブブ──ブヒブヒ──」


〈ドドド……ドドド……〉


「ブヒョ──ブヒョ──」


「ホネ──」


「キィ──」


「……ん? あれ?」


「なっ、何でしょうか、旦那さま?」


 地を揺らすような、地鳴りの音──それと共に、何かがこちらに向かって走ってきているようだ。


 だから小津とフレイヤの二人は一体何? と、思ってしまったようだね。


 だってそれは、とても大きな生物で。それも四本の足で走行が可能な生物だと思う?


 まだまだ、二人には、音と砂煙ぐらいしか、目と耳には入っていないが。只事ではない事が起きたのだけは、自覚をしたようだよ。


 だってね、二人に向かうその砂煙に巻き込まれた──小津の忠実な部下達でもある、スケルトンやグリム・リィーパー等は、皆ことごとく絶叫を上げて煙のように消えて行くし。この廃墟になりつつある街に、更に止めを刺して行くように走り抜けて行く。


 そんな、大きな四本足の生物は、勢いを止める事もなく、更に勢いよく二人に向かってくる──まるで猪突猛進という言葉がお似合いのような容姿でもあった。

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