登場人物 ローヤン帝国朝廷1

マクシム・ワルーエフ 


48歳 ローヤン人。ローヤンの最大部族、カザンキナ部の出身。頭髪は金が混じった褐色、瞳の色はグレー。

皇帝イジャスラフの学友であったことと、実務に長けている上に大局的な政治戦略のセンスも持ち合わせていたことからどんどん昇進して行き、40代前半で宰相となった。皇太子バルタザールの傅役で後見人でもある。

現皇帝イジャスラフの信任は篤く、イジャスラフが病に臥せって以後は政務の全権を任されており、それと共に絶大な権力を持つようになった。

自身がバルタザールの傅役であったことから、現在はバルタザール派の中心人物であり、その為にリューシスの存在を最も恐れ、リューシスを排除しようと画策している。

文官のイメージが強いが武将としても実績があり、三十代の頃には何度も軍を率いて戦場で戦っている。

身長は高めだが、痩せ形。好きな食べ物は羊肉と葡萄酒。汁のある麺類があまり好きではないらしい。息子が一人、娘が二人いる。


ジェムノーザ 


全てが謎の男。天法士ティエンファード

隻眼であり、右目が潰れている。漆黒の法衣を纏い、頭も顔も黒い布で包んでいる。最上級天法術ティエンファーの一つである闇の天法術ヘーアンティエンファーを使うが、他の天法術ティエンファーも使用できる。しかも、天法術ティエンファーを使うのに天精ティエンジンの溜めを必要とせず、また白昼でも闇の天法術ヘーアンティエンファーを使うなど、常識を超えた圧倒的な力を持つ。リューシスを異常に憎悪している。実は猫が好きらしい。


イジャスラフ・アランシエフ 


47歳 ローヤン人。頭髪は褐色、瞳の色も褐色。

アランシエフ朝ローヤン帝国第7代皇帝。皇帝でありながら勇猛な武人であり、かつ聡明な政治家でもあったが、ここ数年は原因不明の病に臥せっており、信頼しているマクシムに全権を任せている。

若い頃、皇太子時代には、実弟キルサンとの間に後継者争いが起きたことがあり、その時に妻ナターシアの父であるカザンキナ部の長に助けられたことから、ナターシアとカザンキナ部には頭が上がらないところがある。

趣味は武技で、あらゆる武芸に通じている。中でも最も得意なのは槍であり、かつては戦場で自ら槍を振るってもいた。だが近年は病の為に戦場からは遠ざかっており、武技の鍛錬も行っていない。

好きな食べ物は焼飯、鶏肉の香辛料焼き、果物。鼠が恐いらしい。


ナターシア・アランシエフ 


46歳 ローヤン人。頭髪は金色、瞳の色は青。皇帝イジャスラフの妻であり、皇后。バルタザールの実母。

ローヤン民族の最大部族、カザンキナ部の長の娘であり、最高貴族の出身。外見は非常に美しく、40代半ばとなってもその美貌は衰えていない。

イジャスラフと結婚後、長らく実子に恵まれなかったが、結婚十年目にしてバルタザールを産んだ。以後、バルタザールを溺愛している。

イジャスラフがリュディナにリューシスを産ませた時は嫉妬に狂ったが、しばらくすると落ち着き、リューシスを我が子同然に可愛がるようになった。しかしバルタザール誕生後はその内心に微妙な変化が生まれたようであり、表面上はリューシスへの態度も変わらなかったが、その感情は複雑になって行ったようである。

好きな食べ物は牡蠣、イチジク、緑茶。嫌いな食べ物は無い。


バルタザール・アランシエフ 


17歳 ローヤン人。頭髪は金色、瞳の色は青。皇帝イジャスラフと皇后ナターシアとの間の男子であり、皇太子。リューシスの異母弟。

母親のナターシアによく似た美少年。優しい性格の上に頭脳も優秀であり、皇帝となれば必ず善政を敷く名君になるとの声が高い。しかし本人は、異母兄であるリューシスにはあらゆる面でかなわないと思っており、リューシスに対して憧れを抱くと同時に密かに劣等感も抱いている。また、自由奔放に生きるリューシスが羨ましいようでもある。母ナターシアは、そのバルタザールの心の隙を巧妙に突いた。

マクシムの次女のカティアのことが好きなようであるが、なかなかその想いを打ち明けられない様子。

穏やかな性格であるので戦いや武技は好きでないようであるが、弓術は得意である。また、リューシス同様、飛龍の扱いにも長けており、天法術ティエンファーも使える。

音楽が好きであり、ルードと言うローヤン伝統の弦楽器が得意な上に歌も得意で、楽士並みの腕前である。好きな食べ物は牡蠣、魚、卵料理。嫌いな食べ物は無い。

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