もしかしたら、とっくに、魂は震えっぱなしなのかもしれない

真っ赤にキメたヘヴィメタルバンドのヴォーカリスト。
小さな体をいっぱいに振り回して刺々しく歌う彼女は、
もともとは黒髪の優等生、ごく普通の良い子だった。

それがなぜ、中学生だったあるとき突然変わったのか。
なぜ、30歳を目前に仲間を失っても音楽を続けるのか。
雨男の「ぼく」は雨の降る夜の中、彼女の思いを聞く。

静かに紡がれる短編にヘヴィメタルの叫びを垣間見る。
弱く強く痛々しくて生き生きとした彼女は雨宿りの後、
相変わらずのまっすぐさで「ぼく」を魅了するのだ。