欲。

 欲は渇愛を呼び、渇愛は執着を呼ぶ。

 私は最近までずいぶんとたくさんの欲を持っていた。私の作品をより多くの人に読んでほしい、評価してほしい。そんな欲を持っていたから、作品への執着は激しいものになっていった。いや、正しくは、作品への執着ではない。読者からの評価に執着していた。

 そんな恐ろしいものから解放されたのは最近。

 私は、まだ未熟な作品をコンテストに応募させていた。完結しているんだからいいんじゃない? そんな軽い気持ちだったのが、日数が経つたびに毎日、毎日、そのコンテストで賞を取ることばかり考え始めていた。

 だけど、ある日、そのコンテストで、私の未熟な作品が選考から漏れたことが発覚した。

 その時の解放感と言ったら!

 本当は、その未熟な作品に手を入れて加筆・修正したくてうずうずしていた。コンテストが終わるまではと我慢していたのが、我慢しなくてよくなった。

 それに、落選したのにまったく悔しくなかったんだよね。むしろスカッとした。

 私は、その時、今までの執着から解放された快感と開放感、それに覆われていた。

 私の持っていたこだわりや、こうでなければならないという重り、そんなものからも解放されていた。

 私は、それから、狂ったように作品を書き直した。ものすごい大工事だったけど、楽しかった。

 小説コンテストとか、賞への応募とかもう、ほんとそういうのって恐ろしいと思った。何も見えない真っ暗な世界にいて、光明を見つけられないままさまよう感じ。いわゆる五里霧中。

 だから、私はそう言った栄誉や栄光とは関係ない場所で、そう言ったものとはかかわりのないものを書いていこうと思った。

 これから私は小説や詩をほとんど書かないと思う。

 専門書や学参のほうに転向しようと画策しているからだ。

 そのためには、文章力もっともっと上げないといけないし、研究も勉強もたくさんしなきゃいけない。でも、すごく楽しいと思う。


 今回は以上。

 まあ、ほとんど独り言で自己完結しちゃっているから、スルーしてもらってもいいですよ。


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