帝国の惨状

4時間20分後帝都へと到着した祐太たちご一行は帝都の様子を見て唖然としていた…

レベッカ「何で成人が誰もいないですネ! ?もしかして子供にしか見えない種族ネ?あなたたちは」

クレア「まさか!そんな種族いたら勇者様たち呼ぶ前に滅んでますよ!大人たちは皆戦場に行きました、軍の特別法により男は18才以上、女性は25才以上の者には徴兵の義務があります。三年の兵役のあとは非常時のみ招集される予備兵として登録されて、それが事実上の引退でした…けれど今は非常時扱いなのでみんな戦場にいるんです」

圭子「何で男性は18歳で女性は25歳何ですか?」

クレア「この国の平均初婚年齢は17歳、それから一年たてば子供はできる、母親が25歳までにある程度分別つくようになるまで育てれば少なくとも国民がいなくなることはないと上層部は考えているそうです…私だって!こんな状況になるまで戦争を続けるのはおろかだってわかってるんです!でも仕方ないのです❗徴兵基準を緩くして親子の時間を作らせようとしたら、魔物たちが町を蹂躙するです❗親子の時間を作ろうとするがゆえに子供の将来を潰す?そんな選択はできないです❗降伏なんて選択肢はありません、魔物にはそんな概念がないからです…」

このままではいずれ人間は負ける…祐太たちはこの惨状を見て本格的に魔王軍を倒すことを決意した。

祐太たちはまず交通機関を整備した、列車を各地方都市に発車して帝都に子供たちを集めた(逆疎開)兵力も帝都に集中させ、食料や日用品など使えるものは何でも持ってきた。最悪帝都に籠城できる体制を作ったのだ!

次に河川の工事、帝都の横を流れる川を重機を使って帝都を囲むような流れに作り替えたこれは水堀の役目を果たさせる(流れがある分ただの水堀より強力な防衛施設となったとも言える)と共に生活に利用する水を確保した。更に川に関しては上流部まで防衛設備を整え、毒を投げ込まれるのを防いだ(水源の森と帝都は案外近いのでそんなに大変な作業ではなかったらしい)

水を確保したら次に食料を確保する、川堀(レベッカ命名)の外に畑をつくって、トラクターなどを使って近代農法を始めたのだ!

主な作物は麦、ジャガイモ、大根、人参、ゴーヤ、カボチャ、米も作った、根菜類は病気に強いからだ(大雨が降ることは滅多にない気候だそうなので根腐れは起こさないだろうというチョイスである)

避難民を収容し終わって用済みになった線路はもしもの時に備えて爆弾を埋めておいた、上を何かがとおると爆発する仕組みのやつである。きちんと地図で保管してあるので撤去も簡単に済むようになっている。

住居は足りなくなったが帝都内部の爆弾を埋めていない線路の上にブルトレB寝台列車を設置、少しでも子供が過ごしやすいように家を作った…

教育機関も作ろうと思った…しかし何せ教師候補(召喚者三名+クレア+帝都警備大隊のうち非番かつ睡眠時間ではない三分の一ざっと297名+15歳以上、二十五歳未満の女性たち9582名、なんかしらの理由で出撃できなかった人たち27名の合計9910名)で十五万人超の子供達を教えるのは無茶の一言だろう…

(子供の世話は12才以上の年上組が引き受けてくれる…しかも子供の扱いがレベッカや圭子より上手い!)ということで放棄。

圭子「あのさ、祐太が一日中ゴロゴロしているのがとてもイラッと来るんですけど…」

クレア「しょうがないのです、体力を消耗する物品召喚をつづけているので疲れて当たり前なのです」

圭子「理屈が理解できないわけではないんだけどね…」

レベッカ「強度を保証できない建物の解体ほとんど終わったネ…疲れたネー」

祐太「やっと城塞都市を名乗るレベルまで開発できたか…次は郊外にパック3の基地でもたててドラコンの空襲にでも備えますか…」

圭子「先に戦闘機出して、森にいる魔物共追い払ってくるから」圭子は森にいる魔物を空襲で焼き払おうとしているようだ

祐太「それならまず滑走路が必要だな、帝都警備大隊の隊長を呼んでくれ、工事要員を召集してもらう」成人の人たち(15歳以上)の中でも比較的体力がある人たちは各現場で働いてもらっていて、隊長には各現場への人員の割り振りをしてもらっている。彼女たち(ほとんど女性なので彼女たちといっているが15才~18才の男性もいる)

一時間後帝都外縁に集まった彼女たちはトラックやショベルに乗ってやってきた。

ショベルカーが土を掘り起こし、大まかなふるいで石などを取ったあと、ロードローラーで平地をつくっていく、石を平らにカットして敷き詰め、隙間が出ないようにコンクリート(主原料である石灰石をはじめ、粘土、けい石、鉄原料などを調合し巨大な回転窯に投入しながら高温で焼成した後、空気で急冷してセメントクリンカと呼ばれる1cm程度の火山岩のような黒い塊にする。

これをさらに粉砕し、せっこうを加えることでセメントを作る、回転窯など必要な機材は祐太の能力で調達。祐太は衰弱)で補強した

これで戦闘機の運用も可能になった。


帝都、劇的ビフォー◯フター開始から3ヶ月


糸島祐太を始めとした地球生まれ地球育ちのビフォーアフターの匠たち、彼らが全力を出して改築をした帝都、その全貌をご覧いただきましょう。

正門

木造の大型扉が夜になると閉まり、外から中に入ることはできなくなる、さらに結構な重量で動かすのも大変な帝都東西南北にある正門。立て付けも悪くなり、衛兵たちの悩みの種でした。

現在の正門は、なんということでしょう!下にレールとタイヤを取り付けて開閉もオートメーション化、ハニカム構造で軽量化に成功した扉は内側に硬質ゴムのダンパーを設置しもし衝突したときにも死者が出ないよう配慮した作りです。外側にはレールと同じ素材の鉄板厚さ二十ミリ!破城鎚では破壊不可能な強度を実現しました。さらに大きな門の横に人一人通るくらいの小さな扉を設置、時間外出入り口も作りました。

水堀

帝都の水堀は海藻がはびこり悪臭のするひどいものでした、下水道が流れ出す先でもあり、病原菌が繁殖するもととなっていて、帝都の住民の公衆衛生を脅かす元だったのです!

現在の水堀は、なんということでしょう!

帝都の近隣に流れる清流を水堀にするように川を掘り、きれいな水が常に流れる掘りに作り替えてしまいました。下水は地下深くに下水管を設置し帝都の外の下水場で処理、もとの水堀は埋め立てて汚い水や病原体が流れ出さないように処理しました。結果現在の水堀の透明度は最高ランク!堀の底まできれいに見えます!それと同時進行で上水道も完備、清流の水を石、砂、木炭、の順で21層に重ねたろ過装置に通します、それを煮沸消毒して水車で組み上げ、各家庭に上水管を通して

配達します!これによって水道水は飲める水へと生まれ変わったのです!

帝都防御壁

石材を積み重ねて長年帝都を守り続けてきた高さ三メートルの防御壁、蔦が這ったり、ヒビが入っていてあまり防御壁としての役割が果たせなくなっていました。

現在の防御壁は、なんと言うことでしょう!高さ十メートルの防御壁は石積で作った土台の隙間に鉄筋とコンクリートで強度を高め、外部の方にレールと同じ素材の鉄板15ミリを接着さらにその上からモルタルでキレイに塗装して生まれ変わっているではありませんか!防御壁上部には鉄条網三重巻きで登壁を防ぎ、下は鉄板が地下1㍍まで刺さり、コンクリートの鉄筋は地下三メートルまでもぐって防御壁を支えています!こうなってしまうと地下を掘って入ることも、壁ごと押し倒すことも不可能、鉄壁(文字通り)の防御壁に生まれ変わったのです!さらに内部では網をかけてグリーンカーテンでゴーヤやきゅうりを栽培、帝都の食料事情を支えているのです。

帝都内の道は基本砂利道で意図的に轍を掘り通りやすいようになっていました。しかし、雨が降ってしまうと水浸しになり、轍から泥が飛び散っていました。

現在の道は、なんと言うことでしょう!道をすべて30センチ~40先着の深さまで中心部から外部へと坂道になるように掘り返し、土や泥を除去、そこに壁や水掘などで出た水捌けのよい砂利を敷き平らにしました!この上から砂利が多めのコンクリートを敷きぬかるむ心配を無くし、轍と排水溝を整備しました!こうすることでもし雨が降ったときには轍の所々に空いている水捌け用の穴や排水溝を通って雨水はコンクリートの下へ抜けていきます。コンクリートの下は水捌けのよい砂利、更に砂利の下まで雨水が落ちると坂道にそって帝国の中心部から外へと雨水は流れていき、水堀に注がれます。こうして浸水の心配を無くしたのです。

建物

建物は市民が自由に作って拡張してを繰り返した影響でかなり込み入った仕組みとなっていました。そのため火事や家屋の倒壊は隣近所も巻き込んだ大きなものになりやすかったのです。

現在の建物、なんということでしょう!再開発された町並みはほとんど石造もしくはコンクリート造の建物で火災が起きても近所へと延焼する危険性がありません!また、区画整理もされ、家と家の間は柵や壁によってしっかりと塞がれている。大通りには門もあり、いざ敵の侵入時には壁として機能するようになっているではありませんか!コンクリート造りの建物は5階6階建てがほとんどでそれによってできた土地を使って道の拡張も行われました!治安の悪い裏路地やスラムなどがない町の作りにすることで治安維持にも一役買っています 。

空き地は匠の粋な計らいによって病院や交番、公立銀行や大型商業施設などが作られ、さらに都市として発展していけるように工夫されているのです。

帝都警備大隊駐屯地

帝都警備大隊駐屯地は主に帝都の外縁に作られた平原で、騎馬戦とゲリラ戦を主に練習していた。

現在の駐屯地は、なんということでしょう!

軽装甲機動車や10式戦車、チヌークなどが敷地にならび、飛行場まで完備していた、さらに銃撃戦や砲撃戦を主に練習するようになっているではありませんか!近代化された部隊は匠の高橋圭子に教えを受け、ロープ降下、空挺降下、長距離砲撃ともはや本場よりものすごい特殊部隊すらできてしまっているのです!(常に命の危険があったため恐怖心が最初から麻痺していたからではないか?と圭子は後に語っている)


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