第5話商人アルバイ

私の名前はアルバイ、商人になり独り立ちして数年が立つが辺境地での行商であるため儲けも少ない。しかし点在する村々には私以外には滅多に商人は通らないようで、歓迎される。

辺境地ではあるが、山賊も多い事が私の頭を悩ませる。前回に一度襲われた事もある。その時はすぐに逃げ切る事が出来たために今回も甘くみてしまったのがいけなかった。


行商の途中に山賊に出会ってしまった。

どうやら前日に出会った商人風の男が山賊と繋がっていたのだろうか。

違和感を感じ馬と荷馬車を切り離した。

すぐに威嚇の矢が飛んで来たが馬に跨がった私は、荷馬車を捨て逃げ出した。

ほとんどの財産は荷馬車に積んでいるが命あってのなんとやら。

後は手荷物と財布位しか無いんだが。

「クッ…しつこいな。」

山賊の数も多い

「こんな所で終わってたまるか」

近くの村へ行く道は完全に押さえられているだろう、仕方なく馬に鞭打ち森の中を突っ切る。

近隣の村人には森にはモンスターの目撃も多く、あまり近づかないように言われていたが

今は緊急事態だ。

モンスターに殺されるのが先か、山賊に殺されるのが先か、笑えない冗談だ。


突然ヒヒーンと乗っている馬の嘶き、

馬から投げ出される!

「馬に矢が刺さったか!」

確かめるよりも先に這うようにして走る。

森を抜けると行き止まりになっていた

「クソッ、ここまでか…なんだあれは」

私は行き止まりの先でモンスターと洞穴を発見した。

モンスターは洞穴からこちらを覗いていた。

「モンスターの巣か?」


後ろからは山賊達の馬の足音が近づいている

どうせ死ぬなら山賊達も道連れにしてやろう

そんな気持ちがわいた。


私はモンスターの巣である洞穴に走り込んだのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る