第7話 β02AM・ボス

 先週は気づいたら自室に戻っており、月曜の朝だった。

 傷も元の世界に戻ると消えるようで、日常生活には何の支障も無かった。

 そして訪れた日曜日。

 俺はまた異世界へ来ていた。

 さて、今日はボスに挑むぞ。

 重厚な扉の前に立ち、そっと触れる。

 軽く押すと、鈍い音をたてて開いた。

 中に入る。

 真っ暗な空間。

 扉が勝手に閉まる。

 松明に火が灯り、部屋が明るくなる。

 少し大きいかどうかといったサイズのホースである。

 ボスっぽくない。

 最初のマップだからだろうか。

 これなら先週来てもよかったのでは?

 向かってくる様子はない。

 静かに様子を窺っている。

 試しに攻撃魔法を打ってみる。

 ――。

 結論から言おう。

 部屋の外にいる奴らと何ら変わりはなかった。

 簡単にとはいかずとも苦戦のしようもなかった。


『ミッション「ボスを倒す」をクリアしました。500コインが付与されました。現在の所持コインは3200コインです。』


 扉が開き、日差しが射し込んでくる。

 一旦、家を目指して歩き出す。

 今日もいい天気だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る