第23話 なんでよ?!

それは私が高校生の時のこと

大事な書類の書き方を

先生が熱弁をふるって説明していた

これは間違えちゃいけないものだと

私も真剣にきいていた


そして作業時間になったときに

仲の良いグループの6人で書き始めた

先生がいちばん間違えないようにと

説明した部分を私が書いていると

友だちのひとりが私の書類を見て

あれそうじゃないよと言い出した

え?!先生はこう書けって言ってたよね?

とあわてて他の4人の子にも聞いたが

みんな違うよーと笑い出した

何?聞いてなかったの?

と逆に私が散々からかわれた

いくら言っても信じてくれない

まるでキツネにつままれたよう


帰ってから書類を仕上げるまえに

問題の部分をどうするかかなり迷った

自分がきいたはずのものとは違うが

まさかバラバラの席なのに

5人が一斉にきいてなかった

とかないよね?

中には賢い子もいるんだし

迷ったあげくに

私は自分をすて多数決に従った


その結果

その書類を書き間違えたのは

私たちグループ6人だけだと判明した

うそ~~!!


先生にはすごく叱られた

聞いていなかったのかときかれ

とても切ない思いをした

なんで自分はへたれなんだろう

どうして自信がもてないんだろう?


でもよりによって、うちのグループの

5人だけが同時に話を

きいてなかったなんて想像しづらい

みんなどこにトリップしてたの?

事実は小説よりも奇なり


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