第3話 怖くない話

これは高校生の時にクラスメイトに

きいたお話

ある朝起きると、誰もスイッチを

押していない炊飯器のご飯が

ちょうど炊きあがったところだった

えっ!誰がやったの?

私じゃないよ 私でもないと

みんなで不思議がっていると

ふいに最近亡くなったおばさんの

コロンの香りがふわっとしたそうだ

あっと思って

みんなで おばさんだ

きっとおばさんがやってくれたんだ

と泣いたそうだ


聞けば優しくてご飯の用意も

マメにしてくれた人だったらしい

その子はちっとも怖がってなく

むしろ懐かしくて

うれしいという風だった


怖がりの私にとっても

何十年経っても忘れられない

印象的な話

自分もいつかそんな事ができるのかな

などと夢想したものだ






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