第14話 世界で最初? オランダ東インド会社
大航海時代の主役と言えばスペインとポルトガルですが、そのスペインと対立しながらも、確実に勢力を伸ばしたのがオランダです。
オランダは北アメリカ大陸(ニューアムステルダム、今のニューヨーク)南アメリカ大陸(オランダ領ギアナ)、アフリカ南部(ケープ植民地)、東南アジア(バタビア)、南アジア(オランダ領セイロン)、台湾(ゼーランディア城)、日本(出島)に拠点を作り、貿易で巨利を得ました。
その影響は大変に強く、現在、南アフリカ共和国で暮らす白人たちは多くがオランダ系の人です。彼らは自分たちをアフリカ人(アフリカーナ―)と称し、自らの言葉をアフリカーンス語(オランダ語の方言)と呼んでいます。
そのオランダで、1602年に奇妙な組織が作られました。それは植民地経営から、軍事・外交までを行いました。複数の大商人たちが金を出し、たくさんのお金を出した人ほど、組織内で強い発言権を得ました。
その名をオランダ東インド会社。
略称はV・O・C(Vereenigde Oostindische Compagnie)です。
「ヴォック」と読む人もいます。
英語にするとunited east-indian companyですよ。
「連合東インド会社」みたいな感じです。
世界で初めての株式会社とされています。
長崎にオランダの出島があったのはみなさんご存知でしょう。あの島の責任者もオランダ東インド会社の人でした。
オランダ領東インド会社設立のメンバーの一人、マクシミリアン・ル・メールは出島の商館長をしていたことがありました。
また、第四代総督のヤン・ピーテルスゾーン・クーンは、ジャワ島のバタヴィアに強固な要塞を作り、根拠地としました。
最初は貿易を行っていましたが、やがて東南アジア諸国の内政に干渉を始めました。バンデン王国、マタラム王国など、地元の国の分裂を誘っては自社の領土を増やし、やがて東南アジアに大きな領土を持つ大植民地を持つに至ります。
まさに帝国主義を象徴するような会社ですが、1799年にオランダ政府の命令で解散するまで約200年間、活発に動き続けました。
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