第21話ホワイトドラゴンは、死線を彷徨う2






 何度も死線をさ迷いながら、なんとか冒険者ギルドに着いた。


 その頃には、夜になり辺りはすっかり暗くなってしまった。


 そしてそこは、酔っぱらいたちの阿鼻叫喚の世界とかしていた。


 情報を得ようにも、酔っぱらいたちの話は意味不明なものばかりで、今日中にくまさんの娘さんを見つけることは不可能だろう。


 自分の不甲斐なさに、涙で溺れそうだ。


 うぉおお(TOT)!!!!!


 吼えてみても、この酔っぱらい怪獣の前には、ただただ虚しくなるばかりだ。


 だが、このままここにいるのは危険だ。


 先程から悪臭が酷く、気持ち悪い。更に、時々物が飛び交う。


 本当に、情報を集めるどころではなかった。


 どこか安全な所を探して、一休みしたい。有り体に言えば、肉体的にも精神的にも逃避してしまいたい。


 お願いだ、私を森に帰らせてくれ!! プリーズ!


 冒険者ギルドから出て(逃げて)、建物の裏に回ると、箱が積み重ねてある場所を見つけ、人知れずそっと隠れて、隠匿の魔法と結界を張って、お腹の空いた音を聞きながら眠りについた。



 明日への不安を抱えながら、明日こそはくまさんの娘さんが見つかることを切に願いながら、夜は更けていった。




 こけくるくる こけくるくる


 朝一番に鳴く鳥の声が聞こえた。


 昨日の事を思いだし、重くなる体を誤魔化しつつ、冒険者ギルドの入り口に向かう。


 冒険者たちは、もう活動を始めているようで、怒号が響き渡る。


 「おい!それは、俺が先に見つけた依頼だ」


 「なんだと、俺はCランクの『爆獲ん』だぞ」


 「そんなの関係ないだろう! 早いもの勝ちだ!」


 「この依頼頼む」


 「お前、何時まで採取の依頼を受けるつもりだ!?」


 「そんなに、討伐依頼が怖いんなら、冒険者なんてやめちまえよ~~~」


 「今はまだその時ではないから討伐依頼はしない。けれど、自信がついたらどしどし受けるぞ!」


 「はんっ! そう言って、結局自信はつきませんでした~~~~~~~、って辞めて行くんじゃないのか?」


 「取り敢えず、『検索』の範囲が2キロになったらと、『隠匿』がレベル1ついたら討伐依頼を受けますよ」


 へっ? 『検索』?


 そう言えば、私、『検索』使えた・・・・・・・・・・・。


 しかも、「テリーナ」(くまさんの娘さん)のことを知っているから、『検索』もしやすい。


 (shock  ORZ)


 私は、昨日1日なにをしていたのだろうか。


 兎に角『検索』をしよう。


 ここは落ち着かないから、静かな所・・・。そうだ、昨夜泊まった場所!


 急いで裏に回って、『検索』を掛ける。


 少しずつ範囲を広げていくと、幸いにも「テリーナ」(くまさんの娘さん)の魔力を見つけることが出来た。


 私は、その見つけた魔力に向かって飛んでいった。


 「今すぐ、助けに行くから、待ってて下さい」


 精神的な疲労で、何度も色々なものにブツカリナガラ飛んで行った。

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