第17話助けてあげたいけど・・・・・・

 私の座右の銘は、『有言実行』なんだ。


 誰が何と言っても、変えることはしない!


 それが例え愛するさくらこさんの願いであっても!


 人のいない所を選んでこちらに来たのに、くまさんを助ける為とはいえ、人の住む所に行ったら意味がない。


 でも、この可愛い過ぎる生き物を見捨てるのは、罪悪感が凄すぎる。


 ど~しよう たら  ど~しよう  ぱっぱらっぱぱ!♪ (現実逃避中)


 でもでも、ちらり。


 うるんだ目で、協力して欲しそうな顔で、こちらを見つめるくまさん。


 「みゅみゅみゅ~!!(ぼくのように、たすけて)」


 肩の上を右に左にとてとてしながら、時々ほっぺをぷにゅってしてくるさくらこさんの愛しさ。


 「人にトラウマかなんかがあったりして、人間の住む所に行こうとすると、体が拒絶するとか何かがあるのだろう? まあ、お主に直接関係があるわけでなし、無理はしないことだ」


 苦悩し続ける私に、カムイは優しく言ってくれるけど、申し訳ないけど、カムイの言う程気にはしてなかったりする。どちらかというと、1度決めたことを、ほいほい変えたくない私の我が儘かな。


 そんなことで助けなかったら、さくらこさんの信頼を失う気がするのです。


 だから私、考えます。


 人間の住む所に、私が直接行かなくても良い方法。


 これまで読んだマンガに小説、アニメも全部思い出して、このピンチを(私的に)乗り切るのです。


 そう、そして生まれたアイデアは


 ・乗り込み型ロボットを魔法で作成して、それに乗り込んで探しに行く。見付けたら救助

 ・ゴーレムを作成して、この森でコントロールして助け出す

 ・ドラゴンなどをテイムして、町を撹乱させて探させて、くまさんのお嬢さんをドラゴンのお口でぱっくんして、連れてくる


  だった。


 でもこの世界、ドラゴンっているのかな?


 物知りなカムイに聞いてみた。


 「ドラゴンならいるが、あんなの役にはたたないどろう?」


 「えっ? ドラゴンって大きくて、ブレス吐いたり、空を飛んだり、魔法を使ったり出来ないの?」


 「いったい何の話だ。お主の話すドラゴンは、ドラゴンとは違う」


 ???


 「はぁー そうだな、実際にドラゴンを見てみれば分かるだろう。今呼ぶから少し待て」


 おっ!! いきなり異世界定番のドラゴンとご対面ですか!?


 すぅーーーーーはぁーーーーーー。


 深呼吸で気持ちを落ち着けて、いい私、驚きの大きさ(サイズ)でも心臓を止めないように気をつけるのだ!


 「おおよく来てくれた、ホワイトドラゴンよ」


 カムイの言葉に反射的に


 「初めまして、私、水上 小夜(みなかみ さや)といいますぅ~?」


 あれ? 目の前には、くまさん親子しかいない。


 「ちょっと、ドラゴンなんてどこにいるのよ!! どこにもいないじゃないの!!」


 「何を言っておるか。ほれ! 目の前におるだろうが、よーく目を凝らして見るのじゃ」


 はぁ~? なんでドラゴンを目を凝らして見ないといけないのよ。でもそういうなら、じーと見てみようじゃないの。


 じーーーーー   じーーーーー  じーーーーー


 ずーーーーむ   ズーーーーーム  ZU----MU


 いた。虫の、バッタサイズのドラゴンがいた。その大きさ3センチ。


 えええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?

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