第15話 洞窟の謎と小さなクマの謎

 洞窟の入り口に来ると、もふもふが詰まっていて外に出れなかった。


 このもふもふは、カムイでしょう。


 さっきまで小さくなっていたのに、なんでまたでっかくなっているのよ~。これじゃ、外に出れない・・・・・・・・?


 あれ? 洞窟の入り口塞がれてる?


 きょろきょろ 


 後ろを振り向いて見ても、前を向いても、ついでに左右を見ても、明るい。


 暗くなくて、明るい。


 大事な事だから3度言うよ! 入口が塞がれた洞窟なのに普通に明るい!


 !

???


 今さらだけど、洞窟って、明かりがないと暗いよね? 気になって周りを確かめた。


 壁をぺたぺた。何だか微かに温かい気がする。


 よーく見ても、明かりの元となるものが見当たらない。でも明るい。そして、洞窟の中なのに仄かに暖かい事に気が付いて謎が増えた。


 まあ、異世界だし。異世界の洞窟は明るいし暖かいってことで・・・・・・・。


 それよりも、カムイ邪魔!!


 思いっきりお尻の辺りを蹴飛ばす。


 「ちょっとどいて! 入り口を塞がれたら、外に出れないじゃないの!」


 その瞬間思い出した。カムイって神様だった。


 不味い、神様になにしてんのよ!! 


 私・・・・・・・・・。


 「ああ、すまない。ちょっと、問題が起きたもので元のサイズに戻っておった」


 カムイは、あっさりと横に移動してくれる。怒ってない?


 塞がれていた入り口が解放されて、外の光が入ってくる。


 その光の先には、くまのぬいぐるみ? ベアー? ぬいぐるみ?

 

 目の前に、40センチぐらいのくまのぬいぐるみがある。


 そのぬいぐるみは、ピンクのワンピースを着ていて、さらに手のひらサイズのくまさんがおくるみにくるまれて抱っこされている。


 「く~ぅま~ぁ。くくぅー」


 カムイの方を向いて、くまのぬいぐるみが鳴いた。


 えっ?! このぬいぐるみ、じゃない。(げふん)

 


 生き物? 動物? なにこれ可愛すぎる。


 「くく~まま。 く~まぁ」


 鳴き声も、ツボだよ~~~。くまが、く~まなんて最高です。


 「大丈夫だ。こやつは人間だが、変わり者だからな」


 「く~~~ままぁ」


 「ああ確かに、助けに行きたくても子がいるから行けないなぁ。かといって、その子を我が預かるのはな~。それに、人間の住む所に行けば、お主も捕まる可能性のが強いぞ」


 あれれ? カムイとこのくまさん会話をしてる?


 そういえば私、なんかギフトを貰っていたんじゃなかったかな?


 「状態表示」


 ギフト 全異世界言語 レベル 神級 (どんな生き物の言葉でも神級なのでへのかっぱです)


 ってちゃんとあるけど、このくまさんの言っていること、ちんぷんかんぷんだよ。あれれ?


 そう言えば、さくらこさんとの会話も出来てない。カムイとは普通にお話出来ていたから忘れていたけど、なんで?


 おもはず、自分の『状態表示』の、全異世界言語 レベル 神級 (どんな生き物の言葉でも神級なのでへのかっぱです)をじーと見つめる。何か、違和感を感じるけど、それが何かが分からなかった。


 余りにも凝視しすぎて目が疲れたので、1度目をぎゅーと瞑って開いて見ると、あれ? この染み見たいのはなんだろう。全異世界言語 レベル 神級 (どんな生き物の言葉でも神級なのでへのかっぱです)の後ろに▼のちっさなマークが。


 まさかね? その▼をクリックするような感じに意識すると、なんと出てきた。


 全異世界言語 レベル 神級 (どんな生き物の言葉でも神級なのでへのかっぱです)の下に、このギフトを、ON/OFFにしますか?


 何それ!? 驚愕


 万能鑑定   レベル 神級 (あなたに鑑定出来ないものはありません)

 空間結界   レベル 神級 (あなただけの世界を築いて下さい。引きこもりにぴったし)


 の横にも▼のマークがあって、同じように開くことが出来たけど、こちらはONになっていて、全異世界言語はOFFになっているぅ?


 あの女神!! なんでこれだけOFFになっているのよ。わざと? わざとでしょう!!


 前世では、動物とお話なんて出来ないから、気がつかなかったわよ!!


 ONにするわよ!


 「くくぅー(ですが、拐われた娘を諦めきれないのです)」 


 おお、くまさんの言っていることが解るようになった。


 これで、さくらこさんとも一杯お話が出来るわよ~~~(ハート)

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