最後の一文を読んだ刹那に流れるカタルシス

"蟻"を恐怖のシンボルにするというシンプルな設定に惹かれました。

万人が弱者をイメージする時、真っ先に思い起こすのは子供の頃に踏み潰して遊んだ"蟻"の存在ではないでしょうか—
飾らないシンプルな設定だからこそ、主人公が恐怖で追い詰められていく様子がひしひしと伝わってきました。

エドガー・アラン・ポー的な、背中を撫でるような恐怖感が堪りません。
日常に潜む僅かな恐怖—リアルだけど実態がない恐怖—ハヤカワミステリの短編集に入れて欲しいくらい傑作です!

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