第7話 深夜のヤンキー(死語)会議

 遭遇率 5%


 その日も私は深夜にコンビニへと出かけた。

 この日は、いつものコンビニとは違い、二番目に近いコンビニへと向かう。

 深夜の並木道を通り、踏切に差し掛かる手前頃に何かの声が聞こえた。

 この深夜に、遠くからでも聞こえるような声量で話してる奴がコンビニにいる。

 私は直感的に悟る。


「あっ、これ、あかんやつや!」


 踏切を抜けると奴等の姿がはっきりと見えてくる。

 コンビニの前にうんこ座りをしながらたむろする若い男女。その数、数人。周囲には食べ散らかされたラーメンの容器やスナック菓子が散らばっている。

 ここから回れ右していつものコンビニに行こうか? いや、今日はこっちのコンビニに行こうと決めたではないか。それに今さらこんなところで引き返すほうが余計に目立ってダメだ。

 そんな事を考えながらも一歩一歩コンビニへと歩いていく。

 



 突然だが、ここで野生の熊と遭遇した場合の対処法をご紹介したい。

 突発的に野生の熊に出会った場合。まず熊に気付かれていないなら、静かにその場を離れる事。

 そして、熊に気付かれている場合。熊の目をしっかりと見たまま、目を逸らさずに静かにゆっくりと後退するのが鉄則である。

 熊を刺激せず、尚且つ目を逸らして弱気な態度を見せない事が肝心なのだ。


 それでは野生のヤンキーと遭遇した場合の対処法はどうなのだろうか。

 実は熊とは逆で、相手の目を見てはいけないのだ。

 相手をジロジロと見てると、「何メンチ切っとんじゃ」という、定番のセリフを聞く事になってしまう。

 そうなるとバトルが始まってしまう。

 カードバトルでもレスバトルでもなく、ガチバトルだ。

 そうならないように、「私は貴方達に興味はありませんよ」という態度を最初から明確にしてないといけない。

 

 これは、相手によって対処法が違うという良い例である。

 テストに出るから覚えておくように。


 そう言えば前にも似たような話をした記憶がある。

 まぁ車のアレとも似たようなもんだからね。仕方ないね。


 そんなこんなで買い物をしてから家に帰った。

 奴等はどうしたんだって?

 見てないから知らんよ。

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