第7話HE 終わる決闘

捉えられた喉元に牙がめり込むその瞬間、碧空は体を仰け反らせて避けた。

黒の顎ががちんと音を立てて閉じられる。

碧空は戻る反動を使い、黒に全力の一撃を与えた。黒は吹き飛ばされ、もう動くことは無かった。

決闘は終わった。碧空が勝ち、人数こそ減ったが村人達は生き残ったのだ。

碧空「紗楽…大丈夫か?」

紗楽「私は大丈夫、それより…お父さんと…お母さんが…」

赤ずきんは自身の両親が無惨な姿になっているのを見て泣き始める。

碧空「ごめんね…もう少し早く来れなくて…紗楽のお父さんとお母さんを助けられなくて…」

紗楽「ううん、もう大丈夫」

紗楽「だって私にはお兄ちゃんがいるもん」

碧空「こんなに頼りないんだよ?たった2人を守れなくて…」

紗楽「いいの、確かにお父さんとお母さんが死んじゃったのはすごく悲しいよ、悲しいけど悲しんだって帰ってくる訳じゃないし…それにお兄ちゃんが生きてるってだけで嬉しいんだもん!」

碧空「そう言ってくれると嬉しいよ」

赤ずきんと人狼はまるでほんとうの兄妹のようにそう話していました…

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