第十一話 四人パーティは基本



――壊滅直後のリンドホルム。


「あーあ!神の使いのせいで街ぼっこぼこじゃん。さいてー」


 半眼ジト眼で彼方に見据えられる家一つ分の大きさにされた八海大蛇。それは我のせいではない…。という意味を込めて視線を返す。口には出さない、反論は無駄であろうと深いため息をつく。


 ボゴォ!と、間髪入れずに打撃音が響く。溜息を吐く大蛇の頭が爆散し血がはじけ飛ぶ。

「うぐぉ…!」


「無礼な視線を向けるんじゃないわ、そして彼方様に向けて溜息をつかないこと、いいわね」


 the溺愛のニイアの鉄拳が頭を破壊し再び治す。大蛇は情けなくも頭を垂れる。どう反応していいのかがまるで分らないのだ。変な行動を取って、罰として大水蛇皆殺しにすんぞっ、等と目標を設定されては困る。以前であれば当然そのような事考えすらしない。

 だが、今となっては全力をもってしても敵わないと知ってしまった。自分では何をしようが何も防げないという事だ。しかも命令を強制する力も、ほぼ死にかけの自分を治す力すら兼ね備えている八人。純粋な力だけではなく全てに劣るのだと理解させられていた。

 さらにケガが治ってからのやり取りでわかったことだが……。


 ……この八人で仲間は全てのようだ。そして彼方と呼ばれる一番背の低い者。あやつがこの八人の頭であるらしい。しかし見たところただの人間、感じられる力も……いや、そうえいばこの者ら力を制御できるのであったか。我を倒した鈴鹿とやらも戦っている最中でさえ、我より弱い力しか感じ取れなかった。我の持ちうる常識を超えている。

 改めて考えれば異質すぎる者らよ。我より弱い力のみで我を圧倒するとはどういう事なのだ……。


 幻獣種といえど感情はある。頭に血が上って冷静な分析ができていなかったのかもしれない、と反省し。そう反省したところでこの現状は何も打開できないと息詰まる。

 さしあたり命令されたことがあまりにも悪の極まったことではなくて良かったと、内心ひとまずの安心を得ていた。


 幻獣種は神の使い、しかしただ神が遣わしただけである。弱肉強食の世界ゆえ、倒されることも無いわけではない。この程度では神が動くわけはないと、その可能性は念頭から完全にはずしているようだ。

 神頼みはどの世界も大体届かないのが世の常である。


 更に、考えを重ねる八海大蛇。



 ……更に特に彼方の行動が読めない。見た目通りの童女の様だが…。

 大蛇は考える、そもそもこの者たちは何者なのかと。それぞれの種の神の気配を感じないのだ。スキルを使用するときなど、幻獣種である自分ならばその気配を微量ながらに感じることができる。スキルは神からの祝福、この者たちはスキルを使っていないのか?

 大蛇の疑問は深まる。


「通告する。マスターの思考、行動原理を貴方が推測することは不可能。無駄な時間」


 …この者もこの者で意味が解らぬ。なんの種族だというのだ?こんな身体を持つものは見たことがない…。というより我の思考を読んだか?在りえぬ……不可解な事が多すぎて我は掴みきれぬ。


 ファイの機械が露出している四肢と頭部についた機械を見つめる大蛇。


「マスター、八海大蛇の視姦プレイを確認。標的は当機」


「エロ神の使いだったんだぁ、きもー…。生き恥大蛇め」


「彼方様以外でも仲間への無礼は許さないわよ?」


 この世界、最強の存在は神と呼ばれる神魔種である。その存在は確かに在る、と解るのだが基本人前、というか何者の前にも姿を現すことは無く。その絶対的な力をもってこの世の法則などを作り上げたり、種を助けたりしている。既に言及しているとおり例えば人間の魔法の行使は太古に神の祝福を受けたことにより可能になっている。


 そんなこの世の絶対法則ともいえる存在の使いである八海大蛇。種格で言えばそこまで高いわけではないが幻とまで言われている幻獣種が虚仮にされ、笑われているこの状態。

 人間の身でここまで無礼に幻獣に接したのは彼方が初めてだろう。



「さ、て、と。とりあえず当初の目的通り、ヤナの森でも進んでみよっかなぁ」


「その先にあるのは二つ目の人間種の国の模様」


「じゃあ進路変更~、ここを真っすぐいきましょう~」


「世界規模では人間国家の領土に隣接するドワーフの国の存在を確認済みです」


「ふぅん……ちょっと思いついた。人間の国さぁ、三つもあるなら一個貰っちゃおうか。それで世界統一を目指す!、いつかそんなことするのも面白いかも…っ。恐怖政治じゃないよ?民主主義ね~」


「御心のままに。どこを目指されても常に傍らに我ら七人付き従いましょう」

 彼方の前に片膝を付く七人。絶対の忠誠、その顔に浮かぶのは微笑み。心の底から本当のことを言っている。

 そんな仲間に対し、彼方は暫し真顔で仲間達の顔色を観察する。その言葉に嘘偽りがない……かも?とあくまで多分、と付け足しつつも信じることとする。信じたいから。


 そんな彼方の様子を目を細めて見つめるのはニイア。当然、ニイア以外も常日頃、感じていることだが……、彼方は弱い、と。長くにわたる異世界旅行の中で聞いたことのある通り、その心は強いことには滅法強く、弱い部分がとても脆い。

 その事を実感した日から七人全員、少しでもその支えになれるようにとかなりの気を使っているのだ。

 気を使っていることが伝わっているだろうか、我らの全てはとうに捧げています、と私欲の愛を過分に込めた視線を送るニイア。


 知ってか知らずか、笑みを取り戻した彼方の号令がかかる。

「いきますぅ、よー。エロ大蛇はさっき頼んだ事お願いねっ」


「じゃあ……ね、破廉恥な蛇さん……」


「がんばんなさいよねー!」


「劣等に加え、助平とは……お主、精進せいよ……?」


 とんでもないほどの憐みと蔑みの視線を、生きてきて初めて、しかもこんなに沢山受けることになる八海大蛇。

 そうして突如八人の姿が大蛇の視界から消える。


「…!?」


 驚愕に身を竦める大蛇。

 大蛇が驚くのも無理はない。幻の獣の気配察知能力は伊達ではない。自分より格上の魔王達でさえ、隠れていても微かな気配を感じ取る自信がある。

 それを、この八人は目の前で消えた、その存在を認識していたのにも関わらず、気配も存在感も何もない、探知する事すらできない。

 本当に何も最初からいなかったかのようだ。


「幻獣の目を欺くか……。いや、最早驚くことすら滑稽だ」


 意地になって気配感知を強めるのもどうせ意味はない、と思い直す。

 たった数分で、大蛇は心身ともに全て破壊されたと言っていいだろう。

 あの八人に対しては幻獣である自分ならば……、と何かを考えるのはやめよう。幻獣程度があの八人に何ができる、と考えよう、と。

 情けなくもそれは正しい理解であった。


 そうして、大蛇自身も命令を遂行するため、霞の中へと消える。行き先は豊穣の森グリムと呼ばれる場所。そこで行うのは鳥助け。

 以前から目をかけていたハーピィの……、彼方の言葉を借りるならば、生存試験、とやらをやりに行く。そして見事、彼方の期待通りの言葉を弾きだせば助かるのだろう。

 蛇特有の地面を這いずりながらの移動の最中、もし試験に失敗し見捨てるとなった時、自分はハーピィを助けられるだろうか。それもまた命令されて不可能になるのだろうか。そんなことを考えつつ、悩める大蛇は先を急ぐ。




――アドリアーネ宿屋。


「つーわけで、お前、儂の部下で決定じゃから」


「同行するパーティとして対等ではないんですかね」


「最強の魔導士の部下になれるだけでも、私はとてもうらやましい……感動しますっ」


 ……ぶっちゃけ俺は暇だった。

 依頼にも出れない代わりにこの宿屋は自由にしてよくて、二つ名であるベリトの食ってる良い物をルームサービスとして提供してもらえる環境も悪くねぇ。

 なにしろ腹が減るってのは人間一番腹立つしな。それに暇と言っても街にでりゃあ武具屋やら喫茶店やらはあるんだが、特にアドリアーネの喫茶店はダークエルフの営む店があって人気が高い。だがそれはいいことばかりじゃねぇ。人気が高いってことは金がいるってことなんだ。


 食事も現物支給になっている俺の現状、生活に困りはしないが金が入ってこねぇ。娯楽がなんもねーんだよ。武具屋いってもこんな一線級の都市の武具なんて買える値段してねーのはわかんだろ?


 しかも、ユーリウスさん達の話してる内容はくそ真面目。当然なわけだが……。金をくれなんて言い出せるわけねーし自分で稼ぐってなると飲食店とか一般の店で雇ってもらうことになっちまう。冒険者登録しておいて喫茶店で雇われてるなんてそれこそ引退したやつか道楽での兼業だ。俺はどっちにも見えねぇ。どーしたもんかね……。


 最初のうちは俺も話に加わってたんだけどな。一応俺が長く滞在していたラツィオの現状は落ち着いているらしい。消滅したトリノや、えぐれた草原の復旧をしてる最中ではあるが、都市内に発生した化け物が引き起こした都市内の破壊痕はもう無いらしいし、優秀な魔導士が集まって治してくれたそうだ。

 そこそこ大事になってきてるラツィオとリンドホルムの事件。

 特にリンドホルムは他国家の種族も行きかう都市だってことで多くの冒険者が個人的にも依頼を受けたりして調査しているらしい。

 ああ、ちなみに冒険者ってのは人間だけじゃねぇ。人間の作った制度だから占有してるがドワーフでもエルフでも登録してパーティ組むことはできる。エルフの魔法はすげーしな。


 そんで国も国で冒険者の依頼制限をする気はないらしい。むしろいろんな見地が欲しいんだと。だが俺でもわかる。それはつまり解明すんのが難しいってことだ。


「あの、いいですかね。声漏れてるんですけどね」


「おあ!?……ひ、暇だったからよぉ……はは」


「マジで大丈夫かこやつ。寄生された影響じゃ無いじゃろうな?……。

 んで、リンドホルムの本腰調査は儂とベリトと〈背反〉のマリーを呼ぶ。都市の復興に貢献でもしてやろうかとマリーを選んだわけじゃが……、探知系の奴は捕まらんかったわい。というか探知しても無駄じゃろうな、二つ名に及ばんとはいえ多くの冒険者が捜索を行ってなお、詳細がわからんというのなら少し趣向を変えて調査してみようかのう」


「個人的に気になっているのは、龍人一派も消失して行方不明。そしてリンドホルムを壊滅に追い込んだなにかも行方不明ということです。ミステリー小説みたいで気味が悪いですね」


「ああ、話は変わるがそういえば武闘派が欲しいのう。二つ名はどうしても特殊系や魔導系が多い……。山薙ぎの奴でも呼んでみるかのう……」


「俺はエルフと手を組むべきだと思いますね。ユーリウスさんが会議で聞いてきた情報によればヤナの森から何かが飛び出てきたように被害が広がっているそうじゃないですか。ヤナの森には知性あるものは住んでいないはずですので、何がわかるかはわかりませんが森の専門家を頼るのもいいかと」


「エルフの知り合いおらんのじゃが」


「私の知り合いにいますよ、かけあってみましょうか……?」


「ではそれで。奇襲で死なない程度の実力者でお願いしますね」


 こうしてパーティ編成は成された。今回はソフィアの出番は無しだ、強大な力ではあるがその分、準備が必要な点。何が起こるかわからない現地調査には向かない。そもそもラツィオに招致されたのもソフィアの人柄が良く、依頼に応じたというだけなのだ。ソフィアの本領発揮は皮肉ながらもその性格とは真反対の行為であろう、戦争である。軍を率いての天使化による対軍最強の能力、それゆえ絶大な支持と評価を大臣らから受けているのだが……。


 話が逸れたが、編成されたパーティは伽藍のユーリウス率いる、連理のベリト、背反のマリー、適当なエルフである。

 四人という基本的なパーティ構成。役割は被っている人物が多いが致し方ない。できるだけ二つ名級の戦力を揃えたいのと、なかなか揃わないのの実情と希望の折衷案である。


 話がまとまったところでクラッドを部屋に置き去りにして三人はすぐさま行動に出る。

 ユーリウスとベリトはマリーを呼びにアドリアーネのギルド集会所へ向かう。

 ソフィアは友人のエルフに事情を説明するために、おそらくいるであろう乙女御用達の喫茶店へと足を運ぶ。勿論アドリアーネ内にある店だ。

 念のために言っておくがいわゆるホストクラブではない。フルーツパーラーの様な女の子の集う系の店だ。





――ギルド集会所にて。


 目的の人物は即座に見つかった。

 本来なら受付嬢にマリーの依頼状況を聞いて現地へ飛び立つか集会所にて待機するかしかないのだが、後は強硬手段として念話スキル持ちの者に依頼するなど。

 ともかく見つかったのでその必要はない。


 マリーは依頼書の張り出されている板の前に立っていた。

 普通の少女と変わらない格好。薄幸そうな薄い顔だちに薄い茶色の長髪を粗雑に伸ばしている。服は何かの魔物の皮でできた防具を上下に着込んでいる、下は短い丈だが露出しているのは太ももだけ、長いブーツの様な靴で膝までをきっちりガードしている、前面の脛の辺りには鉱石板が仕込んであるようだ。

 特に珍しくはない、一般的な冒険者の少女の格好。


「マリーさん、良かったら俺たちと組んでもらえませんか?」

 可憐な少女だからではない。二つ名の顔を知らない者は冒険者にはいないのだ。ギルド発行のピックアップ冒険者、なるタイトルの本が出版され、その能力については言及されていないものの容姿や格好に至るまで事細かく書かれている。

 低ランクの冒険者や市民は憧れや羨望のために買い求め、高ランクの冒険者は少しでも強者の情報をと買い求める。


 話を戻すと、可憐な少女だから声がかけられたわけではない。どの二つ名持ちもよく声をかけられるのだ。一時的にでもパーティに加わってもらうことができればメリットしかないのである。

 自慢話や、依頼の成功率の大幅増加、戦闘を間近で見ることもできる。何か得のある話しが聞けるかもしれない。

 ソフィアの様なのは特別だが基本的に二つ名はその強大な能力の獲得のためにセンスと経験を兼ね備えている。少女と言えどその年齢までに積み重ねた努力は計り知れない。


「別にいいわ――」


「ちょっと済まんのう?国王からの依頼なんじゃ、先に声をかけたおまえさんには悪いが儂らにマリーをゆずってくれんか?」


「……ユーリウス殿!、もちろんです。マリーさん、今度またお願いします。……あえて光栄です、高みを目指して頑張りますっ」


「ほほ、励めよ、若者」


 ベリトにも一礼して去っていく好青年。


「国王?どうしたの、ユーリウスさん」

 表情を変えずに、去っていった好青年に手を振って答えユーリウス等に向き直るマリー。


 実はのう……。と近くのテーブルに腰かけつつマリーに事の経緯を説明する二人。終始黙って聞いていたマリーだったが、同行の求めには即座に応じた。


 アドリアーネ近辺での依頼ばかりしていたためと、依頼から帰ったばかりであったためマリーはリンドホルムの現状やラツィオの事を全く知らなかった。

 新聞などを読むことがないため多少情報に疎いのかもしれないが、二つ名といえど一冒険者である身では、あまり遠くの都市が壊滅したとしてもかかわりのないことなのだ。

 事実、昔にはぐれの龍種が襲撃に来た時にも都市が一つ陥落したがその翌日には二つ名で編成されたパーティがあっさりと処理していた。

 重ねて、マリーの定住するアドリアーネには熟練の者が集まる。というか最先端である、何が起こっても対処が可能なほど自治力が高いのだ。そのため都市のパワーバランスとしては騎兵団の肩身が狭いほど。

 多くの命が消えたことは悲しむことなれど、立ち止まり嘆いては居られない。特に一級の冒険者や騎兵団の隊長各などは日々、かなりのプレッシャーに晒されている。成長と止めれば、隙を見せれば狩られる世界なのだ、狩る者がそこら中にはびこる世界。


 そんな例もあってかマリーは話を聞いた直後は今回もそんな感じにすぐに終わるのだろうと思っていた。


 ……寄生とかなんか怖いけど。新しい新種の魔物とかってことなのかな?

 とりあえず私の任務はリンドホルムでの復興の手助けと現地で能力使って手掛かりとかないか調べるだけ。大丈夫そうかな。


 報酬については応相談、という貰えるんだかなんだかわからない仕事だが。ユーリウスからの仕事の依頼であるし、同行するベリトはしっかりしているからちゃんと報酬の支払いは相応になされるはずだと心算するマリー。


「じゃあしばらくの間よろしく」



「御三方、こんにちは。ソフィアから紹介されて来ました。エルフのリーナです。お見知りおきを」

 マリーの挨拶と同時に割って入ってきた長身金髪緑色の服でその身を包み、当然誰もが知っての通りその耳は先端が尖り横に広がっている。


「あ、よろしく。私はマリー=ピエール。こちらはベリトとユーリウス」


「なんで貴方が紹介してるんですかね。別にいいのですけど。……ところでソフィアさんは結構なお方を紹介してくれたみたいですね」


 ベリトもユーリウスも魔法の専門家。対してエルフは元から種族的に魔法を扱える、魔法の祖の種族である。

 他にも魔法を扱える種族は多いが特に突出して流麗かつ繊細な技術、豊富かつ占有されている事柄の多い魔法に関する秘匿知識も多くある。


 魔法の道を進む二人はリーナが相当な魔法の使い手であることを即座に看破する。看破と言っても完全な確信ではないが、雰囲気で通じ合うようなものであろうか。とにかくただの森の探査役としてソフィアが紹介してきたのではないことがわかった。


「ソフィアからは二人の魔法においての鼻っ柱を折ってしまってもいいと聞いております」


「なーに対抗心もやしとんじゃあやつは」


「自分の友人は優れていると誇りたいだけ。それより出立はいつ?」


「すぐに向かう」

 ガタンと椅子から立ち上がり老練魔導士は立ち上がる、後に続く臨時パーティの仲間達。

 実はこの面子、相当強かったりする。まぁ当然のことだが、二つ名三人にリーナの実力も申し分ない。直接戦闘系が居ないのが偏りを見せはするが一応マリーは腰に下げた短剣で近接戦闘も行える。


 少し前までは二つ名に挑戦し名を上げようという冒険者も少しはいた。

 少し前というとマリーがまだ成長途中の年齢のころである、その頃から既に才能を開花させ能力を身に着け、二つ名をもらっていたマリーはその年齢ゆえ、不相応と見られることもあり。よく思わない者が決闘を申し込むことが多かった。勝って二つ名を奪い取りたかったのだ。しかしそんな幼いマリー対、熟練の若干阿保な冒険者の勝負はマリーが能力を使うことも無くすぐ終わる。型からはずれたアウトローな短剣闘法。

 大の大人を幼女が短剣で華麗に捌き切る姿は美しさをはらんでいたほどだ。


 そうして現地へ向かう四人が歩くアドリアーネの街道はいつもより少しにぎやかになった。

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