友/情

 最初に言い出したのは誰だったか。


 いつの間にか私達は、もう引き返せないところまで来ていた。


 崖っぷち、というやつだろうか。


 とにかく私達は、同じ空間に閉じ込められた友人達と励まし合いながら、無情なる椅子に縛り付けられていた。











ファッキン夏期講習。

     お前ら全員熱中症でくたばっちまえ、こんハゲ。

   帰りに冷やし中華食べに行くから、忘れないでね。

 クーラー寒くない?

  わかる。

これは?

  わからん。

     どっちだよ。

 お腹空いたー。

   喉乾いたー。

      ……ぁふ。

眠るなー。

     起きろー。

   死ぬぞー。

 雪山かな?

  そうなん?

      この部屋寒過ぎない?






 私達は誰一人として、試験前に遊び呆けていた己を呪わなかった。



 反省もしなかった。

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