第28話お泊まり

大樹さんの部屋を出たところには、妹がいた。

「?どうしたんだ?」

「どうしたんだ!っじゃないよ!お兄ちゃん!」

「いや、俺には、咲がなにを言っているのかさっぱりわからないのだけど?」

「なに、お兄ちゃんはとぼける気?」

「とぼけるもなにも、なんでそんな怒っているのかわかんないし」

「本当にとぼけてないの?」

「うん。とぼけてないぞ」

「ふーん。そっか。じゃあ、今から私の言ったことに従ってね。今日は、帰ろう」

「ん?」

今、今日は、帰ろうと言ったか?でも、泊まることになってしまったのは、咲のせいであるんだけどな……

「そうは、いけませんよ」

「なにを言っているんですか?神崎先輩、だってお兄ちゃんは、と言っていましたけど?」

「嘘ですよ。だって先程私から、近藤君に言いましたよ」

「そうなんですか?お兄ちゃん、私に嘘ついた?」

「いや、ついてないよ。うん、ついてないはずだよ?」

もしかして、今日眩の部屋に泊まるとか言ったやつとか?

「なんで、最後疑問系なの?それに、今もしかしてあれのことって顔したよね?お兄ちゃん?」

「眩の部屋で、俺が泊まること?だったりするのか?」

「そうだよ。ってことは、お兄ちゃんはさっきと言ったのは、嘘だったってこと?」

「あの時は、本当に知らなかったんだって!」

「まあまあ、近藤君も妹さんもその辺にしときましょう。では、近藤君は、私と一緒に私の部屋に行きましょうか」

「…え、あ、はい。でも、咲はどこに泊めればいいんですか?」

「私の隣の部屋の予定でしたけど、帰りたいなら帰っても構わないですよ」

「だとさ、どうする?」

「泊まっていく」

「みたいです」

「そうですか」

それから、俺と眩は、眩の部屋にいき、咲は、その隣の部屋に行った。

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