第6話 ラブレター

それを見てしまったのは偶然だった。

恭子の家に遊びに来て、それでたまたま落ちてたそれを見つけてしまった。


真っ赤な文字で『死ね、死ね、死ね……」の言葉で埋め尽くされた紙。

封筒に入っていたから多分手紙だろう。


なんでこんな悪意の塊のようなものが恭子の家にあるのか。

ゾッとたった鳥肌は一向におさまらなかった。


「どうした……の……」

にこやかな顔で戻ってきた恭子は、目があうなり俺の手に握られた紙をひったくった。


「おい、なんだよそれ?」

「……大丈夫だから」

「大丈夫なわけないだろ!」

思わず声を荒げてしまうと、恭子は怯えた顔でこちらを見ている。

何をしてるんだ俺は。

「……ごめん……大きな声出して。……でも、できれば話してほしい。力になりたい……なんて偉そうかもしれないけど……それでも俺にできることならやりたいんだ」


「……うん……ごめん……ありがとう」



あと少しだ。

あと少しで彼女の家に着く。

待っててくれ。

俺が必ず守るから……

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