自分の書きたいものを書くと、一次落ちしやすい?

公募でありがちな、しかし重要な二択問題について。


創作系の掲示板などを見ていると、自分の書きたいものを書くべきか、あるいは、流行り物を書くべきか、といった議論が時々起きている。


「読者に受ける作品こそが自分の書きたい作品だ」

という主張はさておいて、投稿者には興味深いテーマである。



書き手としては、「自分の書きたいものを、自分の書きたいように書く」、というスタンスをとりたい。


でも、プロに言わせれば、そんなことをできるのはごく一部の人気作家だけのようだ。

むしろ、アマチュアはファンサービスが足らない、ともいう。


だからこそ、新人賞に応募する時くらいは、書きたいものを書くべきだ、という言説もある。

プロになったら、書きたいようには書かせてもらえないから。



でも、書きたいものを書くと、一次落ちしやすいのではないか、という説も散見される。


管理人も、自分の書きたいものを書きたいままに書いて、一次落ちした事が何度もある。


この間は「ポスト・アポカリプス的な歴史を背景にした、メビウス(ジャン・ジロー)風のエスニックな舞台における、サン・テグジュペリを彷彿とさせる飛行機ロマン」というコンセプトで書いたら、あっさり一次落ちになってしまった。

自信作だったのに。


まあ、単に技術不足によって、作者の書きたいものが伝わっていなかったのだろう。

あるいは、あまりにも自分の世界にのめり込みすぎて、客観視できなくなってしまったせいかもしれない。



他にも問題がある。

書き手の書きたいものが、そもそも読み手にとっては魅力的に思えない、という場合もありえる。

ものすごく嗜好が偏っている場合とか。

その場合は、書きたいものを書いていては、いつまでも前に進めない、ということになりかねない。



プロの意見はどうか、と色々探したら、興味深いブログ記事が見つかった。

リンクはれないので、ぐぐってください。

「自分が面白いと思うこと」をやるべきか?「他人が面白いと思うこと」をやるべきか?



結論的には、「自分の好きなものではヒット率は低くなる」とのことのようだ。

自分の作りたいものを作っているような駿監督でさえ、他人の面白いものを作っているそうである。



というわけで、結論的には、自分の書きたいものを書くと、一次落ちしやすいか? と問われれば、そういう傾向がある、といえそうだ。

「自分の好き」を書くのは、少なくとも新人賞では諦めたほうがいいのか、という気がしてきた。

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