第8話 蛮勇ジェネレーションズ


 「血濡れの十字架」の活動拠点である、神嶋市郊外の山中にある洋館。そこに繋がる麓の道路には、事件を聞き付けた警官隊が迫っていた。

 その先頭を、1台の装甲車が走っている。車体の両脇には、2機の警察用パワードスーツが掴まっていた。


「ここか、例のヴィランの車が逃げ込んだ山というのは……」

「い、いよいよ僕も実戦だ……! よしやるぞ、お前ならやれるぞ、新見眞彦にいみまさひこ! カッコよく活躍してヴィランを捕まえて、先輩にプロポ――!」

「新見。士気があるのは結構だが、お前の任務は私のバックアップだ。功を焦って、前に出るなよ?」

「は、はい……」


 装甲車の右側に片手1本で掴まっている浅倉茉莉奈は、左側に両腕でしがみついている、後輩の新見眞彦にクギを刺す。彼は先日パワードスーツの使用資格を得たばかりであり、今日が装着者としての初陣なのだ。


「いよっしゃああ! いよいよ俺様の活躍の時ィ! 見ててね叶恵ちゃん、俺の勇姿ィ!」

「……というか、何でこいつがここにいる」


 一方。装甲車の車上で仁王立ちしている1人の男は、茉莉奈の冷ややかな視線にも気づかず高笑いを上げていた。


 ――キャプテン・コージが愛用している、マクタコーポレーション製マッスルスーツ。

 そのプロトタイプである、サファイアブルーのマッスルスーツを着た阿形恭弥は――事件を聞き付け、警官隊に便乗して来ているのだ。


 約2時間前、神嶋市の只中で突然発生したカーチェイス。それに巻き込まれた住民達の通報により、ヴィランの仕業と断定した神嶋署は警視庁に応援を要請。

 パワードスーツを使いこなし、多くのヴィランを逮捕して来た実績を持つ、浅倉茉莉奈を筆頭とする突入隊を編成していた。


 だが、彼女ですらも多摩川周辺に出現した「吸血夜会」のヴィランには、手も足も出なかった。その上、目撃された黒いオープンカーの装飾からは、同組織との関連も疑われている。

 一刻も早くヴィランを捕らえ、住民に安心を齎すためにも、何としても勝たねばならない。が、そのための戦力を揃えた今でも、不安は大きい。


 ――目撃情報によれば「神装刑事ジャスティス」や「キャプテン・コージ」も動いているようだが……彼らだけに任せていては、警察の威信に関わる。

 ゆえに、今は猫の手も借りたい状況なのだ。例え自社のスーツを無断で拝借し、装甲車に便乗して来る問題児だろうと。


「はぁ……とはいえ、なぜこんな奴を……」

「さぁ来やがれヴィランども! キャプテン・キョーヤがぶっ飛ばしてやるぜ!」

「……戦う前から頭が痛い」


 車上で息巻く恭弥に、茉莉奈は頭を抱える。――その一方で、目撃情報の1つを思い返していた。


(……ジャスティスとキャプテン・コージを乗せた、赤いオープンカー……か。神威捜査官は、例のあの人と繋がりを持っていたということか……?)


 両肩に2門の大砲を備えた、白十字の仮面を持った真紅のヒーロー。その謎の人物が、ジャスティスとキャプテン・コージを赤いオープンカーに乗せ、街道を走り去ったのだという。

 ――それはまさしく、「吸血夜会」から茉莉奈を救った、あのヒーローに他ならない。


 あの夜の記憶を鮮明に思い返し、茉莉奈は仮面の下で人知れず頬を染める。身体中が甘い痺れに晒され、豊かな胸の先端や下腹部に、ほのかな熱が宿る。

 それが熱烈なまでの恋心であると自覚するまで、何日も掛かった。今では、彼を連想させる色遣いを目にするだけで、頬が熱気を帯びてしまう。


(情けないな。こんな時だというのに……彼に……会える。どうしても、そんな風に想ってしまう)


 ――そんな彼女が、件の目撃情報に食いつかないはずもなく。ヴィラン打倒に燃える一方で、その胸中は「彼」との再会に対する期待も孕んでいた。


 すると、その時。


「……ッ!?」


 カーブを曲がった先の路上に突如、人影が現れ――先頭を走る装甲車が、急ブレーキを掛けた。その反動が、車外にいる者達に襲い掛かる。


「んどぅわぁ!?」

「ふひょお!?」


 片手でもしっかりと掴まっていた茉莉奈だけは、熟成された両胸の果実を揺さぶられただけだったが――恭弥と眞彦は顔面から前方に転落し、情け無い悲鳴を上げていた。


「……んだぁてめぇっ! 危ねぇだろうがどこほっつき歩いてんだコラァ!」

「公務執行妨害で逮捕だあぁあ!」


 鼻頭をアスファルトにぶつけた恭弥と眞彦は、その痛みと恥をかかされた怒りを、眼前の人影にぶつける。

 だが、その影は彼らの恫喝を浴びても微動だにしない。


「……! あなたは……」


 すると、彼らの後ろにいた茉莉奈が装甲車から飛び降り、声を上げる。――悪魔を模した、その独特のビジュアルは、ヒーローとしてよく知られた人物のものだったのだ。


「悪いね、ちょっとここは通行止めなんだ。今、立て込んでてさ」

「……それは、ヴィラン対策室の意向か?」

「そう。あなた達を山に入れないようにしてくれ――って、対策室から依頼があってね」


 ――茉莉奈達の行く手に立ち塞がる、デーモンブリード。その背後にヴィラン対策室がいると知り、茉莉奈は仮面の下で薄い唇を噛みしめる。


 またしても自分達は、彼らヒーローに任せてしまうのか――と。


 だが、ヴィラン対策室は公安組織の1つでもある。自分達を現場に行かせない、という判断が民間のヒーローではなく公安によるものであるなら、ここで退いても警察そのものの面子が潰れることはない。

 ……事情を知らない市民の前に、おめおめと帰ってきた自分達に関しては、白眼視されるかも知れないが。


「……わかった。わざわざ御足労頂き、感謝する」

「話が早くて助かるよ。さ、早く逃げた方がいい。敵も、かなりのやり手みたいだからさ」


 しかし、意地を張って現場に押し入った挙句、足手まといになり負傷者を出すようなことがあれば、それこそ目も当てられない。デーモンブリードもそれを危惧しているからこそ、対策室の依頼を受けたのだろう。

 そこまで理解していながら、その厚意を無碍にはできない。――その結論に至った茉莉奈は、おおらかに手を振るデーモンブリードに深々と頭を垂れる。


「おいおいコラコラ、なぁに勝手なこと抜かしてんだ。対策室だかなんだか知らねぇが、俺達の邪魔をしようってんならヒーローだろうと容赦しねぇぞ」

「よくも浅倉先輩の前で恥をかかせてくれたな、デーモンブリード! 公務執行妨害と名誉毀損の疑いで、貴様を逮捕してやる!」


 ――が、それだけではこの2人が終わらせなかった。状況を理解していない彼らは、拳を鳴らしてデーモンブリードに迫る。


「おい、やめんか馬鹿ども! 話を聞いていたのか!?」


 茉莉奈が慌てて止めに入るが――派手に転ばされた上(ほぼ自業自得)に恥までかかされた彼らは、聞く耳を持たずにデーモンブリードを威嚇する。

 そんな彼らに、ヘルグリム帝国の皇太子は深々とため息をついていた。


「……『聞き分けのいい女刑事がいるから、この任務は楽』って聞いてたんだけどなぁ。ホラ吹きもいいとこじゃないか、神威さん」

「何をブツブツ抜かしてやがる! 来ないならこっちから行くぜ!」

「確保ぉおー!」


 その透かしたような態度が気に食わなかったのか。恭弥と眞彦はわかりやすいほど激昂し、デーモンブリードに殴り掛かろうとする。

 ――だが。


「あふん!」

「おふん!」


 棒立ちからの、ノーモーション往復ビンタ。その1発だけで2人は軽くのされてしまい、彼の足元に沈められてしまうのだった。

 見ている側が居た堪れなくなる程の醜態を前にして、茉莉奈は顔を片手で覆いながら天を仰ぐ。


「……ち、ちくしょう……! こんなことで参ってちゃあ、叶恵ちゃんにカッコイイとこ見せられねぇ……! あのEカップがッ……揉めねぇッ!」

「……く、くそぉ……! これしきの攻撃で膝を折っては……警視庁所属、パワードスーツ隊の名折れ……! 先輩のッ……Hカップだって……揉めないッ……!」

「俺の足元で欲望さらけ出さないでくれる?」


 一方。恭弥と眞彦はデーモンブリードの攻撃(にも値しないビンタ)を浴びながら、なおも不屈の闘志で立ち上がろうとしていた。震える足に鞭打ち、己の身体に使命を課して。

 全ては、遠く険しい山脈おっぱいの果てに待つ、桃源郷もみもみのために。


 ――そんな彼らを、デーモンブリードはなんとも言えない様子で見下ろしていたのだが。2人は、そんな視線になど屈しない。

 彼らはもう、遠き幻想の果てにしか目を向けていないのだから。


「俺は!」

「僕は!」


 膝を立て、大地を踏みしめ。


「叶恵ちゃんのッ!」

「浅倉先輩のッ!」


 震える脚に、鞭打ち。


「Eカップをォッ!」

「Hカップをォッ!」


 腰を持ち上げ、立ち上がり――彼らは己の理想を目指して、勇ましく拳を振るう。


 ――揉みたァァアいッ!


 その言葉を、絶叫と共に重ねて。


「ぼびら!」

「ぶべら!」


 だが、現実は非情である。


 足元から立ち上がり、その勢いのまま拳を振り上げた瞬間――彼らはデーモンブリードの肘鉄を脳天に喰らい、敢え無く轟沈。一瞬にして意識を刈り取られた彼らは、今度こそ完全に黙らされてしまうのだった。


「……その、いろいろ……というか、何もかも、済まない。ウチの馬鹿どもが、大変な迷惑をかけた」

「……心中、御察しするよ」


 うつ伏せになったまま白目を剥く2人を見下ろし、デーモンブリードは深々とため息をつく。そんな彼に頭を下げる茉莉奈も、居た堪れない声色だった。


「……さて、とにかくこれで俺の仕事は終わりか。……あとは、彼ら次第だけど……」


 やがて彼女は後続の部下達に命じて、暴走した馬鹿2人を現場から引きずり出していく。

 その様子を一瞥した後、デーモンブリードは視線を山頂の彼方に向けていた。「吸血夜会」特有の、妖しい邪気が立ち込める山の向こう――洋館の方へと。


 ――ヴィラン対策室の神威了から今回の依頼を受けた際。デーモンブリード自身は「吸血夜会」との対決を望んでいたが、了の意向により戦列への参加を断られてしまっていた。


 今「血濡れの十字架」と交戦しているヒーロー達は、彼らの抹殺ではなく捕獲を目的としており、数多のヴィランを強力な技で殲滅してきたデーモンブリードの力では、加減を誤り彼らを全滅させてしまう恐れがある――というのが、その理由だ。

 「吸血夜会」への義憤に燃えている彼を、その怒りのままに「血濡れの十字架」へとぶつけるリスクを、了は何より危惧していたのである。


 ――そうして、強大な戦力であるデーモンブリードを戦列から外してまで、彼が生け捕りに拘る「理由」。

 それを聞いてようやく、デーモンブリードは今回の依頼を引き受け、裏方に回ることを受け入れたのだ。


 ヴィランという存在を絶対悪と定義し、今まで躊躇うことなく彼らを殺めてきたジャスティスとキャプテン・コージが、自分達の信条に反してまで「不殺」に拘る「理由」を。


 ――ニュータントをあくまで「患者」と見做し、ヴィランであろうと救命するべく奔走する「キュアセイダー」。

 その存在を了から知らされたデーモンブリードは、少なからずシンパシーを感じたのである。


 ニュータントを怪物と蔑視せず、手を差し伸べるために戦う。「互いの共存」を目指す彼にとって、そんなキュアセイダーの在り方は共感に値するものだったのだ。


 ――だが、解釈の点では食い違いもある。デーモンブリードはニュータントを1人の人間と見做し、キュアセイダーは患者と見做している。

 病か、否か。その点では、相容れない部分もあった。


(……例え、この力が病でも。俺は決して、それに屈したりはしない。そして、いつか必ず……患者でも怪物でもない、ニュータントの在り方を見つけてみせる)


 それでも。掛け替えのない「命」のために戦う――その根源だけは、確かに共通していた。今は、それだけでも十分。

 ゆえに彼はキュアセイダーの意を汲み、戦列から身を引いたのだ。


(だから――キュアセイダー。その時まで絶対、誰も死なせないでくれ。俺の思い描いた未来だけじゃない。あなたが望んだ、命の在り方のためにも……!)


 そう割り切るデーモンブリードは、山の麓から密かに。

 未だに顔も知らないヒーローの勝利を、ただ静かに祈るのだった。


(……!)


 ――その時。デーモンブリードの直感が警鐘を鳴らす。彼は仮面の下で眼の色を変え、空を仰いだ。


「ヒャアァアッ! くたばれ人間共ォォォッ!」

「……ちッ!」


 刹那。上空から飛び掛かってきた無数の怪人達が、研ぎ澄まされた牙を剥く。

 黒衣を纏い、不意を突くように現れた刺客――「吸血夜会」の戦闘員達による奇襲を、咄嗟に跳ね除けて。デーモンブリードは地を転がり、素早く身構えた。


「奇襲ッ!? ――総員構えろ! 上空よりヴィラン多数、正確な数は不明! 各員、各自の判断で撃ってよし! 誰1人死なせるな!」

「りょ、了解ッ!」


 一瞬遅れて事態を把握した茉莉奈が、周囲の部下に指示を送り、臨戦態勢に入る。予想だにしなかった、別働隊との戦闘であった。


「デーモンブリードォ……ちょうどいい、貴様もザコの警官共々、ここで始末してやろう! ――イモータル・ニュータント。そんな絶好の秘宝、懲罰部隊如きが所有すべきではない! 我々という真の吸血鬼が、達磨にして飼ってやるわ! 生かさず殺さず、犯し尽くしてくれる!」

(……なるほど、そういうことか)


 ――だが、デーモンブリードは違う。彼だけはある程度、「吸血夜会」の別働隊が動く展開を察していた。

 彼は了からこの一件の説明を受けた際、キャプテン・コージと同様の疑問を持っていた。なぜ、不死身の超人イモータル・ニュータントという逸材を「懲罰部隊」が占有しているのか、と。


 もし、この占有が「血濡れの十字架」の独断によるものなら、「吸血夜会」の正規部隊が動き出すはず。格下の懲罰部隊に旨味のある力を独占されて、腹を立てない派閥がいるとは思えない。

 ――デーモンブリードが了の指示を受け入れた理由は、そこにもあるのだ。彼らの戦いに、横槍を入れさせるわけにはいかない……と。


 だが、いかんせん数が多過ぎる。戦闘員しかいないとはいえ、その数は100人はくだらない。

 一方、こちらはパワードスーツを着ている茉莉奈・恭弥・眞彦の3人を除けば、生身の警官隊しかいない。彼らを守りながらこの数を、狭い山道で殲滅するのは……少々骨が折れる。


「女刑事さん、仕事増やして悪いんだけど……さっきの2人、起こしてもらっていいかな。猫の手も借りたいくらいでさ」

「……了解した。おいお前達、そこのバカ2人を叩き起こせ! 手荒でも構わん!」

「は、はい! ――オラ起きろお前ら! 仕事だ仕事!」

「ほぁ!? なんだ! 晩飯か!?」

「ふぁ!? なに!? 当直!?」

「……あいつらは全く……」


 デーモンブリードの要請を受けた茉莉奈は、パワードスーツ用の機関砲を構えながら――後方に怒号を飛ばす。警官隊は慌てふためきながら、懸命に恭弥と眞彦を叩き起こしていた。


「さぁて……悪いけど、俺1人じゃ皆を守りきるのは難しい。手を貸してくれ、女刑事さん」

「守られる前提で動いているつもりはない。……ヒーローだけに任せはせん!」


 その様子を一瞥しつつ、デーモンブリードは茉莉奈と共に戦闘員の群れと相対する。敵方も、戦闘を再開するべく殺気立っていた。


 ――そんな、一触即発のただ中。


「この私の前で『公務執行妨害』とは――いい度胸だな、『吸血夜会』」


 冷ややかな声が響き渡り、全員の視線が崖の上に向かう。


 その端に立つ、純白のヒーローは――マントをはためかせ、毅然とした面持ちで戦闘員達を見下ろしていた。


「マイティ・ロウ……!」

「トォッ!」


 デーモンブリードが、その名を呟く瞬間。白き法の守護神は地を蹴り、軽やかに宙を舞う。その凛々しい姿に、茉莉奈達は思わず息を飲んだ。


 幾度となく空中で回転する彼は、やがて優雅に山道へと着地して――自身とは全てにおいて対照的な、魔界の皇子と視線を交わした。


「この山から、何やらよからぬ邪気を感じてな。先ほどの騒ぎと関係があるのかと思って来てみれば……随分と、お困りのようだな?」

「……俺達で事足りるから、帰ってくれないか」

「言われずとも、すぐに帰るさ。法を犯したヴィラン共を駆逐した後で、な。それと、客人は私だけではない。……このバカ騒ぎを聞きつけた、物好き達もいる」

「なに?」


 ――すると。さっきまでマイティ・ロウが立っていた崖の上に、三つの影が飛来してくる。彼ら・・が勢いよく着地した瞬間、衝撃により僅かな亀裂が走った。


「な……奴らは!」

「おっ……おお! か、彼らは!」


 そのシルエットを知る「吸血夜会」の戦闘員達は、唇をわなわなと震わせる。警官隊は、思わぬ助っ人達の登場に歓声を上げる。……だが、彼らが客人達の名を叫ぶ前に。

 当人達は、自ら一歩を踏み出し――名乗りを上げた。


「世に蔓延る悪を許さぬ、天津あまつの生んだ黄金鬼こがねおに。ゴールデンオーガ――ここに推参」

「待たせたな、諸君! もう大丈夫だ! この私が……キャプテン・アオモリが来たからにはな! ハッハッハ!」

「『吸血夜会』の悪党共! 耳の穴かっぽじって、よぉく聞けっ! 俺こそは、創造世界一の傾奇者! その身その魂は、燃え尽きることない無敵の炎熱えんねつ! 絶世ぜっせい益荒男ますらお! 炎獄界えんごくかいの大英雄! 炎天下無双えんてんかむそう! 泣く子も黙る、燃え盛る紅蓮の鉄砲玉あぁっ――あだっ!? なぜに殴った!?」

「長いよヒバチさん。三行で纏めてくれ」

「もうすぐ終わる! つぅか、今が一番いいとこだったんだよ! ……あー、オホン。――泣く子も黙る、燃え盛る紅蓮の鉄砲玉あぁっ……あ、紅蓮魔ぐれんまヒバチ様よおぉぉっ! ペンペンッ!」

「ハッハッハ! セルフだったのかソレ!」

「だってお前らやってくれないじゃん!」

「誰がやるかそんなもん」


 黄金色の装甲スーツを纏う、鬼の仮面戦士。青いタイツスーツを内側から押し上げる、筋骨逞しい長身の男。黒い下駄を履き、橙色の肌を「紅」と書かれた道着に包む、筋骨逞しい赤髪の巨漢。

 彼らは名乗りを終えると、互いに軽口を叩き合いながら、崖から飛び降り――激しい地響きを立て、山道に着地した。


「ゴールデンオーガにキャプテン・アオモリ、そして紅蓮魔ヒバチ……これはまた、随分有名なヒーローが来たな。全員、一線級のエースじゃないか」

「へへっ、よせやい照れるぜ。まぁ、そういうわけだから俺らも混ぜてもらうぜ? マカティの皇子さんよ!」

「案ずるなマカティの皇子よ! 我が必殺のSMASHスマッシュが、君の敵を打ち破って見せよう! ――我が故郷のリンゴもよろしく!」

「魔界だ魔界! いつ俺がフィリピンに移住した!? ――やめろ! リンゴをグリグリ押し付けるんじゃあない!」

「……暑苦しい上に騒がしくて敵わん。ゴールデンオーガ、なぜこいつらまで連れて来た」

「いや、俺に当たんないでくれよロウさん。……はぁ、風の精霊まで暑がってるし」

「精霊?」

「あぁいや、こっちの話」


 警官隊。ヴィラン軍団。その双方から注目を集めている、彼ら5人は――「吸血夜会」の戦闘員達に視線を向けると、同時に一歩前へと踏み出した。ヴィランを前にした以上、ヒーローとして彼らが為すべき事は、一つだ。


 マイティ・ロウ、ゴールデンオーガ、キャプテン・アオモリ、紅蓮魔ヒバチ。彼らという思わぬ助太刀に動揺しつつも、吸血鬼の群れは退く気配を見せない。


「ち、ちくしょう! イモータル・ニュータントさえ手に入れば、幹部格への昇進だって夢じゃないんだ! 負けるわけには行かねぇ!」

「てめぇら、1人たりとも逃さねぇぞ! 覚悟しなァ!」


 そんな彼らを一瞥した後。ヒーロー達は顔を見合わせ――同時に拳を構えた。不敵な笑みを、その仮面に隠して。


「逃さない、はこちらの台詞だ。デーモンブリード、もう少し付き合え」

「……分かったよ。あなたと組むのは癪だけどな」

「癪? ――奇遇だな、私もだ」

「よぉおおっしゃあ! いっちょ、派手に暴れてやるとするかぁ!」

「私の正義が唸る時が来た! 見せてやろう、この逞しくも美しき郷・土・愛ッ!」

「勢い余って、後ろの警官隊にまで飛び火させないでくれよ? ――さ、行こうか精霊達」


 魔界の皇子。法の守護神。金色の戦鬼。郷土を背負う青き闘士。創造世界の紅蓮大英雄。どこまでも噛み合わないヒーローチームが、身の程知らず共に宣戦を布告する。


 ――それは、戦いにすら値しない「掃除」の幕開けであった。


 ◇


 ――そして、同時刻の洋館前。

 駒門飛鳥が待つ屋敷の門前には……キュアセイダー2号、だった鉄塊が転がっていた。全身に亀裂が入り、その隙間から滴る鮮血が、花のように地に広がっている。


「ちっ……存外にタフだったじゃねぇか。たかが人間がパワードスーツを着ただけだってのに……」


 その傍らに立つ、ストリゴイ・ニュータント――狗殿兵汰は、苦々しい面持ちで倒れ伏した2号を見下ろしていた。

 ……もっと軟弱な体であれば。此れ程まで傷付く前に、楽になれただろうに。そんな憐れみが、その貌に顕れていた。


(しかし、こいつが使っていた砲弾は何だったんだろうな。ただの砲弾にしては威力が弱いように感じるし……何発浴びても、俺の鎧は壊れなかった)


 彼の蒼く変色した眼が訝しむように、2号の両肩にある2門の砲台に向けられる。

 ――あれからキュアセイダーの拳打のみならず、この砲台からの連射も浴び続けていた彼のプロテクターは、ところどころが損壊していた。


 だが結局、砲弾が鎧の下の肉体部分に達する前に、こうして決着がついてしまったのである。


(……まぁ、いいだろう。どうせ、もう決着は付いたんだ。早い所、あの女を連れ出して風里達と合流しねぇと――)


 すでに倒してしまったヒーローの実態など、今となってはどうでもいい。そんなことより、早くここから動かねば他のヒーロー達に囲まれ、逃亡も難しくなる。

 そう判断した彼は、倒れたまま動かないキュアセイダーの傍を通り過ぎようとした――のだが。


「ごあっ……!?」


 その一瞬の隙を突くように。


 突如身を起こした2号の鉄拳が、唸りを上げてストリゴイ・ニュータントの腹に突き刺さった。

 満身創痍でありながら――金色の両眼が、「決して負けない」という意志の強さを物語るように、眩い輝きを放つ。


「て、めっ……!?」

「はぁ、はぁっ……!」


 片膝立ちの姿勢から放たれたストレートは、腹部の鎧を粉砕し、その下にある肉体を露出させる。

 すでに彼のプロテクターも、度重なる衝撃を浴びたことで耐久性に限界が来たのだ。


 ――このプロテクターは、あくまで通常の「装備品」であり……ニュートラルの加護を受けたような、特別製の類ではないのだから。


「ま、まだそんな力が……!」

「うっ……おぉおッ!」

「ち……この、くたばりぞこないがァッ!」


 痛みと失血で意識が混濁する中、架はさらに鎧を崩そうと、片膝立ちのまま再び拳を振るう。だが、不意打ちではなくなった以上、もうその手は通じない。

 咄嗟に身をかわしたストリゴイ・ニュータントは、痛みから来る怒りを武器に肘鉄を振り下ろし、2号の脳天に痛烈な一撃を叩き込む。その衝撃により、彼は再び地面に倒れ伏してしまった。


「ごはぁあッ!」

「今度こそ楽にしてやる、悪く思うなよッ!」

「終われない……まだ、オレはッ!」


 だが、もう油断はしない。所詮は生身の人間如きと侮ったばかりに、手痛いしっぺ返しを食ってしまった。

 その痛みを腹部に味わいながら、ストリゴイ・ニュータントはトドメを刺そうと、渾身の力で足を振り下ろす。だが、2号の反応はそれよりも速く――咄嗟に真横へ転がり、ストンピングを回避してしまった。


「な!」

「約束を果たしていない……彼女の病を、治していない! 患者に笑顔が戻るその時まで、オレは絶対に倒れんッ!」


 刹那。うつ伏せから仰向けに姿勢を変えた彼は――まだ機能が生きていた66mm白血砲を、ストリゴイ・ニュータントの露出した腹部に発射した。

 今までプロテクターに阻まれていた「ニュータントの肉体」に、ついにワクチンを詰めた砲弾が突き刺さる。


「うごあぁッ!?」


 その威力を味わい、ストリゴイ・ニュータントは勢いよく吹っ飛ばされてしまった。

 扉を突き破り、屋敷のホールに転がり込んだ彼は、のたうち回りながら上階に続く階段に寄り掛かる。その後を追い、架も身を引きずるように洋館内へと進入した。


「な、なんだこりゃああ!? ち、力が……力が抜けていくッ……!」

「白血砲の威力でも……1発だけじゃ切除し切れないのか……! クッ、待てッ……!」


 今になって、ようやく白血砲の威力を知ったストリゴイ・ニュータントは――全身から力が抜けていく感覚に翻弄されながら、階段をよじ登っていく。ふらつきながらも、架もその後を追い始めていた。


(ち、ちくしょう……! まさか、あの砲弾にこんな効果があったなんて……! こ、こうなったらあの女から血を吸って、足りないエネルギーを補うしかねぇ! 多少隙だらけにはなるが……女を人質に取られたら、あいつも迂闊には撃てねぇはずだ……!)


 飛鳥がいる2階の一室を目指し、ストリゴイ・ニュータントはふらつきながらも歩み続ける。白血砲を「エネルギーを奪う砲弾」であると解釈していた彼は、飛鳥から血を摂取することでそれを補填しようと考えたのだ。

 その後を追い、2号も這うように洋館の中を進み続けていた。幾度となくもたつき、転びながら。


「……」

「……よう。また、お前の力を借りに来たぜ。残念だったな、来たのが俺でよ」


 窓から丘の下を一望できる、2階のとある一室。そこへたどり着いたストリゴイ・ニュータントは、ついに目的である飛鳥を見つけた。彼女は相変わらず、生気のない表情のままだ。

 しかし、2号もすぐそこに迫っている。ゆっくり血を吸っている時間はない。ストリゴイ・ニュータントは作戦通り、飛鳥を盾にしながら血を吸って力を蓄えることに決めた。


「駒門、さん……!」

「おっと、やめときなよヒーロー。大事な女が、お前の砲弾で吹き飛んじまうぞ。いくらこの女が『不死身』だからって、ヒーローに生身の人間が撃てるか?」


 やがて、キュアセイダー2号もついにこの部屋に辿り着き、ストリゴイ・ニュータントと駒門飛鳥を発見する。絶望に満ちた飛鳥の貌を見遣り、架は仮面の下で悲痛な声を漏らした。

 一方、ストリゴイ・ニュータントは険しい表情で、飛鳥の首筋に牙を立てている。こうしなければ、自分も女も助からない。そんな脅迫観念に、駆られながら。


 ――だが。ここに来て事態は、彼の予測を大きく裏切ることになる。

 駒門飛鳥のためにここまで駆けつけ、ボロボロになりながら戦って来たはずの、目の前のヒーローが……今まさに、何の躊躇いもなく砲口をこちらに向けて来たのだ。


「な……!? て、てめぇそれでもヒーローか!? この女を助けるために、ここまで来て、戦って来たんじゃねぇのかよ!」

「……何を勘違いしてる。オレは、ヒーローなんかじゃない」


 その挙動にストリゴイ・ニュータントは目を剥き、焦燥を露わにする。一方、飛鳥は絶望に沈んだ貌のまま、眼前の状況を静観していた。


(あぁ……そっか。きっと、これが報いなんだ。そうだよね……ニュータントのあたしなんか、ヒーローだって助けてくれないよね。先生を傷付けた……あたしなんか)


 そんな精神状態の彼女には、もう何も届かない。だからこそ架は、届かせるために――


「オレは……患者を治すために来た、ドクターだ」


 ――白血砲で、2人纏めて吹き飛ばすのだ。


 如何なる状況であろうと、患者を救うためとあらば、躊躇うことなく引き金を引く。

 その苛烈なまでの姿勢こそが、キュアセイダーというヒーローが持つ唯一の「必殺技」――「希望の橋ブリッジ・オブ・ホープ」なのだ。


「ぐぉあぁああッ!」


 ――白血砲の衝撃により2人は床の上を転がり、ストリゴイ・ニュータントの悲鳴が響き渡る。飛鳥は気を失ってしまったのか、身動き一つ取らなかった。

 そして、ストリゴイ・ニュータントの変身はみるみるうちに解けていき――やがて、ボロボロのプロテクターを着ているだけの、狗殿兵汰という「人間」に成り果てる。


「な、なんだ……!? 変身が!」

「オレの白血砲で、あなたの体内からニュートラル・ウイルスを切除した。もうあなたは、ニュータントなんかじゃない」

「ニュートラルを切除……!? まさかそんなことが……!」

「……もちろん、彼女も一緒だ。もう駒門さんは、『不死身』ではない」

「……!」


 そして、白血砲の真の効果を知った兵汰は、崩れ落ちるように膝をつくと……飛鳥の方を見遣る。彼女は、砲弾で吹き飛ばされた後だとは思えないほど、安らかな表情で眠っていた。


「……俺は……俺達は、まだいい。好きでニュータントになったわけじゃねぇし、『吸血夜会』に入ったわけでもねぇ。ただ血を吸わねぇと生きられない身体になっちまったから、同じ境遇の仲間達と生き延びるために、ヴィランをやって来ただけだ。飢えを凌ぐために、同じ組織の仲間を食って『血濡れの十字架』に落とされても、ただ生き延びるためだけに」

「……」

「……でも、こいつは。よかったのか。本当に、これで」


 望まぬうちにニュートラルに感染し、血を吸わねば死ぬ体質になり、生き延びるためだけに罪を重ねた。そんな「血濡れの十字架」にとって、人間に戻れるというのは奇跡の救済と言っていい。

 だが兵汰は腑に落ちないと言わんばかりの表情で、「不死身」の力を失った飛鳥の寝顔を眺めていた。


「あいつは……俺達なんかとは、違うだろ。あいつの力があれば、最強になれる。どんなことだって叶う。俺達も、あいつ以外の誰かを、狙わずに済む。それが、あいつの真実だったんじゃないのか」

「違う。彼女は、治りたいと願った。

患者が……彼女自身がそう願ったのなら、それだけが彼女の真実だ」

「……そうか。だったら……しゃあねぇわな……」


 ――「不死身イモータル」。その力の価値を、ヒーロー側が把握していないとは思えない。

 にも拘らず橋野架という男は、その力を握る飛鳥自身の願いに添い、「不死身」の力をこの世から躊躇うことなく消し去った。


 どんなに強大で有用な力であろうと、関係ない。それが感染者にとって「病」であるなら、治療するのみ。

 そんな愚直な医師としての在り方に触れ――兵汰は、嘆息していた。


 この男には、逆立ちしても敵いそうにない……と。


「……うっ」

「お、おい!」


 すると。架は力尽きたようにふらつき、倒れそうになる。それを目にした兵汰が、咄嗟に手を伸ばした――その時。


「よっ――と。ふぅ、相変わらず無茶ばかりする人だ」


 気を失った架の身体を、突如現れた神威了が支えていた。肩を貸したまま眠る架を、神装刑事ジャスティスは神妙に見つめている。


「あんたは……」

「……どうやら抵抗する気も失せたようだな、狗殿兵汰。貴様ら3人、正義ジャスティスの名の下に纏めて逮捕する。いいな」

「……いいもクソもねぇだろ。好きにしやがれ」


 そんな彼の言葉から、仲間達が生きていることを悟った兵汰は……安堵した様子で座り込み、白旗を上げる。

 その姿を一瞥した了は、ため息を漏らして――気絶している架と飛鳥を、交互に見遣るのだった。


「こんなに傷ついて、なおも患者を慮るとは蛮勇の極みだな。……ま、それに付き合った俺達も、同類か」


 文句を並べ立てている割には、その声色は――どこか穏やかで、優しい。


 一方、その頃洋館の外では――戦いの終焉を感じたキャプテン・コージが、不遜な表情で鼻を鳴らしていた。


「全く……あの男の蛮勇には、ほとほと呆れる。……まぁ所詮、我々も同じ穴のムジナか」


 ◇


「……お!? 丘の上が静かになったぜ!」

「ニュータントの気配が、消えた……?」

「……終わったようだな」

「あぁ。やったな、キュアセイダー……!」

「ハッハッハ! 我々の大・勝・利ッ!」


 ――そして。山道で戦いという名の「掃除」を終えたデーモンブリードは、邪気の消滅を察していた。他のヒーロー達も同様の反応を示している。

 彼らの足元には、コテンパンに打ちのめされた戦闘員達が、死屍累々と倒れ伏していた。


 敵勢のほとんどを壊滅させた、5人のヒーロー。

 周囲の警官隊がそんな彼らに畏怖する中、機関砲を下ろした茉莉奈が一歩前に進み出る。彼女が深々と頭を垂れたのは、その直後だった。


「……ありがとう。あなた方のおかげで、我々も損害を最小限に抑えられた。この部隊を代表して、礼を言う」

「それには及ばん。私は法という正義を遵守しただけのことだ」

「それより、あの2人はいいの?」


 神妙な表情で頭を下げる茉莉奈。そんな彼女に背を向けるマイティ・ロウは、素っ気ない様子で腕を組んでいた。

 一方、デーモンブリードは彼女の後ろで騒いでいる2人組を見遣っている。


「イェエェーイ! キャプテン・キョーヤ様の大・活・躍ッ! これで叶恵ちゃんのハートもおっぱいも鷲掴みだぜェェイ!」

「やりました! やりましたよ浅倉先輩! 新見眞彦! 大・勝・利ッ! これで先輩のハートもズッキュン間違いなしッ!」

「やったなァ!」

「ハァイ!」


 自分達の勝利に狂喜乱舞しつつ、互いに通じ合うものを感じたのか、ハイタッチまでしている恭弥と眞彦。彼らは2人揃って、顔面がボコボコに腫れ上がっていた。

 他の警官隊が至って軽傷であるのに対して、彼らの傷は思いの外酷い。が、当人達は痛がるどころか勝利の舞タップダンスに明け暮れている。


「……済まない、また見苦しいところを」

「いや、別にいいけど。あの2人がやたら派手に立ち回ってくれたおかげで、生身の警官隊に狙いヘイトが集まらなかったしな。俺も、かなり戦いやすかったよ」

「あの醜態は見るに堪えないが、私も同意見だ」

「ありがとう。……あんな馬鹿共だが、奴らなりに懸命に戦っていたのは事実だ。私も、素直に評価してやりたい」

「……そうだな。あの部下の人、女刑事さんのために随分と頑張ってたみたいだし?」

「ゴ、ゴールデンオーガ!? あ、生憎だが私には心に決めた人がいる。新見には悪いが、ああいう注文には応えられない」

「へぇ。じゃ、山の向こうにいる『謎の赤いヒーロー』の注文なら応えられるのかな?」

「んなッ!? なな、なぜあなたがそれを……!」

「まぁ、その辺にしといてやれよゴールデンオーガ。激しく燃えるようなアツい恋……俺は嫌いじゃないぜ、刑事さんよ」

「ハッハッハ! 刑事殿はモテモテだな! うんうん、実に良い! 青春だよ刑事殿! 今の君は、この熟したリンゴのように赤い!」

「あ、あうぅ……」

「……火に油を注いでるようにしか見えんな」

「……同感だよ、不覚にも」


 そんな馬鹿2人の様子を、生暖かい目で眺めながら。5人のヒーロー達は戦いの終焉を悟り、心を休めていた。

 ――「謎の赤いヒーローキュアセイダー」への想いを募らせる茉莉奈を、ほどほどにイジりながら。

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