ピアノの音で、心がほぐれてゆく。

子どもの心と音楽というのは、小説で表現することが難しい二大要素だと思います。子どもの心は文章で描写しすぎれば、子どもらしくないものになります。しかし子どもの心を想像することは大人には難しいので、描写が薄いと子どもに感情移入できません。
しかし今作はその2つを見事に、そして調和させて描いています。そこに夜想という風景描写も合わさっているのですから、これはもう、文句なしで星3つです。