2017年7月8日「めんどりのお供え」

 昼。友人宅に遊びに行った帰りのこと。


 道端で丸々太っためんどりに出会ってしまった。野良なのか、近所で飼われているのが脱走したのかわからない。

 彼女は笑ってしまうような、規則正しい鳴き声と足取りで、私の前を歩き始めた。


 気になって気になって、そろーりとついてゆくと、用水路を住処にしているらしかった。


 感心することしきり。めんどりって自力でどうやって暮らしてるんだろう。たくましいなあ、と思った。


 あるときまた同じ場所でそのめんどりをみつけた。用水路のある橋のたもとにあるお地蔵さんの足元に、卵が産み落とされていた。


 ずいぶん徳の高いめんどりだと、人々が集まり、私は友人に熱をこめて話した。



               END

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