第5話 システマフィーリングカップル№02。

「どうだ。ミカエル。アンタはこの護身術の勝負で強い男性が大敗した事が多くなった理由を知らないのか?」


勿論、相手の弱点を効率よく集中して責める為、強い男でも筋肉莫迦きんにくばかなら簡単にやられる事は分かっている。

俺は、彼女の武術に低く持ちすぎていた。

すると、俺とサーヘルの試合を見ていた皆共は…、


「2人ともシステマの試合を上手くやっている。しかも、互いにプロと思える位の実力を持っている。」


俺達は意外とシステマによって高評価されているのだと感じた。

すると、とある女性が…、


「さすが、ミカエル君。アンタはシステマの知識があって羨ましい限りだよ。」


「貴様は、ミーシャさん?」


ミーシャか。

俺がここに入京するとき、最初に出会ったモスクワ大学工学部の女性か。

彼女も相当なシステマの知識を得ている事を考えれば、このАГМБでは護身術を強化すればかなりゲイ討伐に有利になると俺は判断できる。


それ故に…、


「なぁ、ミーシャ。貴様もやはりリクルーターから雇われたのか?」


俺は彼女に例のリクルーターの件を話した。


「うん、私はあまり工学部の筆記試験では成績良くなかったけど、実技試験で非常に成績が良かったからリクルーターに雇われたの。」


成程、この組織に雇われるにはまず、筆記試験より実技試験の方が重要視される訳か…。


当然と言えば当然だ。


筆記だとマニュアル通りしか教えてくれないが、実技なら自分の力量が非常に試される場所だから実技を上手くやれば筆記が多少悪くても雇われる事は既に知っている。

つまり、この組織では自分の思考できて尚且つ、АГМБの忠誠心の強さが主に影響されるだろう。

つまり、条件は自分の判断で判断できる人とАГМБに対する忠誠心の強さが、リクルーターに雇われる事になるだろうと感じた。


「ミカエル。貴方、サーヘルさんに負けたけど結構システマの技量を持っているんだね。」


「未奈か。このシステマは戦場に派遣されたときに敵に襲われないように鍛えた訓練だ。」


「ふ~ん。でも、あなたは相当強い。でも、サーヘルさんも凄く強いよ。」


「そうか。」


俺は美奈と話して俺の事を意外と評価してくれた。

更に、俺から話かけてくれる人が他にも…、


「ミカエル。お前、結構強いんだな。」


シーが俺の事を話しかけたので直ぐに彼の試合を見た。


シー、お前のシステマは非常に良かった。だが、その力を抜けばもっと強くなれるんじゃないか?」


俺は、シーにアドバイスした後、サーヘル、未奈、ミーシャと共にシステマについて彼らの弱みを指摘した。そんな事を話していた俺らだが…、


「ジョージ。あんたは、凄く弱い。そんなんだからアメリカ人は直ぐに負けるんだよ。」


「タマナ。お前、どうしてそんなに強いんだ。」


ジョージがタマナにシステマでボロボロになり、俺はタマナに彼がシステマで弱い理由を話そうとした。


「タマナ。どうしてジョージはシステマに弱いんだ?」


その話を俺は決して、聞いてはならない事だった。

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