愛しく、寂しく、怖い。

何処にでもあるような幼い男女の甘く苦々しい子供時代が綴られていきます。やがて大人になった二人の再会。最初の方を読んでいるとなんとなくオチは見えなくもありません。けれど、それでも、ラストに至る感情や思考の流れが敢えて不透明にされて(多分ですよ)いることで僕は得体の知れない怖さと、15センチの愛しさと悲しみ、そして人のエゴについて『胸に泥が浮く』ように思い耽るわけです。

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