休日ってやつ

 毎日仕事をしているわけではないので、私には休日というものがある。会社勤めでなく家でお仕事をしている方々は、この休日の生み出し方がうまくないとやってられなかったりするのだろう。と、在宅ワークをかじりはじめた私は思う。

 なにはともあれいつもより遅く起きて、だらだらと朝食を食べる日は必要不可欠なのだ。仕事へ行かない日の食生活はかなり崩壊していて、朝と昼が兼用だったりケーキですまされたり味噌汁だけを飲んだり夕食が芋だけだったりする。ちなみに芋は冬の間がいちばん甘くておいしい。

 適当な時間に起きて、適当なものを食べたあと、洗濯機を回しながら録りためてあるドラマを一本観る。たいてい洗濯機の仕事の方が早いのだけれど、私はきっちり最後まで観てから絞られた服たちを持って外へ。物干し台は庭の片隅に置いてある。その下もまわりも雑草の王国になってきているから、そろそろ刈らなきゃなあと思いつつ、なかなかやらないままでいる。そして秋を間近にすると、どうせもうすぐ枯れるし、と思って結局刈らないのだ。まだ夏は始まったばかりだけれど簡単に予想できてしまう。

 鳥の声(私がわかるのはカッコウかツツドリくらい)に耳を傾け、さわやかな風を感じながらすべてを干し終えると、ついでとばかりにホースをのばす。イチゴさんに水をやるのだ。ホースと蛇口のジョイントがうまくいっておらず、そこから吹き出す量の方が多いのだけれどこれもそのままにしている。できないわけではないから、いいのだ。以前「生活に対する向上心がない」と言われたことがあるが、おおむね間違いではない。テレビ台のヨコ板も段差がずれたまま一年以上使っている。

 窓の内側にいるみゃーこに見守られながら水やりをしたあと、ついでとばかりに虹をつくってみたくなった。まだ暑くない時間帯は遊ぶのも楽しい。ホースの先から細かい水の粒子が散って、きらめいて、七色の――風が私を濡らして去っていった。

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