序説2 脇坂安治役の日本人俳優武田裕光 (ひろみつ)

日本では無名の武田裕光 (ひろみつ)とはどんな俳優なのだろう。韓国のサイトを検索するしかない。


ドラマ「壬辰倭乱 1592」をネット検索すると、韓国サイトがたくさんヒットする。ハングルは普通の日本人には読むことができない。しかしAIの発達で、時代は便利になっている。韓国サイトのハングルテキストを適当にコピーして機械翻訳「Google翻訳」のサイトに移動してテキストボックスにペーストする。ほぼ数秒で、まずまず意味の取れる日本語に翻訳してくれる。


韓国のネットでの「壬辰倭乱 1592」の評判を日本語で見てみよう。


・韓国の名無しさん

1000人で朝鮮軍7万人を打ち破った勇将脇坂じゃないか。

・韓国の名無しさん

このドラマってめちゃくちゃ気合入ってるらしいぞ。雰囲気を壊さないようにアイドルも使ってないし、日本人も本物の日本人を使うようにして演技力に力を入れたみたいだな。だからこのドラマは見てておもしろいんだよ。他の時代劇ももうちょっとこうあるべきだ。

・韓国の名無しさん

↑アイドル出ないようにしただけでも大したもんだな

・韓国の名無しさん

↑よくやったと思うよ。時代劇にアイドルが出て目に力入れてセリフ言うたびにしらけるもん。それ以来、全く見なくなってしまったわ。

・韓国の名無しさん

でも顔が日本人っぽくないねw

・韓国の名無しさん

イケメンだなぁ

・韓国の名無しさん

このドラマ面白い?最近観るもんがなくてワールドカップばっかり観てる…。

ワールドカップもだんだんおかしくなってるけどw

・韓国の名無しさん

↑映画「鳴梁」レベルだよ

・韓国の名無しさん

↑そのレベルまでは行ってないだろ…

・韓国の名無しさん

今日のはホントに面白かった。もう映画レベルって言ってもいいと思う。

・韓国の名無しさん

脇坂がいくら暴れまわったって言ってもw。何万石にもならないC級大名だよ。

伊達や島津がS級。

・韓国の名無しさん

↑加藤、小西はA級くらい?

・韓国の名無しさん

↑加藤はA~A級、小西はB~B+

・韓国の名無しさん

↑徳川は?

・韓国の名無しさん

↑S

・韓国の名無しさん

顔良すぎだろ~

・韓国の名無しさん

↑うん、俺と似てる

・韓国の名無しさん

↑髪の毛はあるのか?

・韓国の名無しさん

壬辰倭乱の倭軍中、最高の用兵であり大将…。脇坂安治は認める…。

・韓国の名無しさん

↑脇坂は七本槍の中でも一番どうしようもないやつだっていう扱いだったらしいけど…。

・韓国の名無しさん

李舜臣一人だけがいないせいで日本のC級大将、海戦経験もないC級日本海軍に負けたというのが朝鮮の水軍のレベルだってことだなw。

・韓国の名無しさん

脇坂安治が本当にすごい大名だったのは壬辰倭乱のときではない。関が原の戦いだ。

・韓国の名無しさん

脇坂って韓国では李舜臣を負かして圧倒的勝利を収めたから有名なのに、日本ではクソみたいな扱われ方してるよな。

・韓国の名無しさん

なんとなく発音が柔らかくてよかった

・韓国の名無しさん

この人ちょっとだけ斜視だね

・韓国の名無しさん

理解できないのが、「日本の台所、大阪から来たタケダです!」って言ってるけど、日本の台所って一体どういうことなんだ?

・韓国の名無しさん

↑おいしいものが多いという隠喩で台所って表現してる

・韓国の名無しさん

↑大阪って食べ物で有名なの?

・韓国の名無しさん

↑うん、日本ではそんなイメージ

・韓国の名無しさん

↑大阪の別名が日本の台所だって、それくらい読み取れよ病身

・韓国の名無しさん

↑だから皿洗いでもするのかと思ったんじゃん


 「日本の台所」から来た武田宏光とはどんな俳優なのか。漢字交じりの韓国語で見当をつけてハングル와키자카 야스하루をコピーしGoogleで検索する。すると結構多くのサイトがヒットする。以下の記事もあるインタビュー記事の機械翻訳の結果に手を加えたものである。


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韓国映画/ドラマでは日本人役に、日本の映画/ドラマでは韓国人役で登場する俳優武田宏光(Takeda Hiromitsu)にお話を伺った。

(中略)

彼は映画「鳴梁」をはじめ、「ストップ」出役、「大」前園副官役、「ドンジュ」看守長役、「ヘオファ」憲兵中尉役、「密偵」武田刑事役、「保安官」武役、「朴烈」検察役で出演し、「隊長キム・チャンス」渡辺役、「ゲストハウス」鈴木役、2018年公開予定の「チョンサンビョルゴク」では高木役で観客に知られる。日本映画では「アイ・アム・ヒーロー」、「アウトレイジ最終章」などに出演している。


(中略)


以下武田宏光との一問一答


- はじめまして。近況について教えてください。


TVドラマ「ミョンブルホジョン」に出演しました。壬辰倭乱の時、朝鮮に帰化したサヤカ(金忠善)の役を演じました。韓国に来からて初めての善玉役であると思います。視聴率も有望でよかったです。


- 日本で俳優になると決めた理由はありますか?


 私は普段から映画を本当に好きでした。見るのも好きで、実際には俳優になるということよりも、映画と関連した仕事をしてみたかった。私は大阪出身なのに、大阪より東京がそのような機会が多いようだと思ったし、学校を辞め、17歳の時にむやみに何の計画もなく、東京に行ったんです。


 計画なしに行って見たら、稼いだお金を使い果たしてしまうことになってやっと分かったのは、東京の物価がものすごく高いということです。お金がなくてパンの耳だけで3日我慢したこともあります。これではいけないとアルバイトを始めました。

(中略)

 そんなある日、運命だとするべきでしょう。店に何人か女の子のゲストがきたが、私にアルバイトしないかと名刺をくれました(今風の路上キャスティング?)。その名刺が今の私の所属事務所吉本興業です。休みの日に、その名刺のアドレスを持って訪ねて行きました。

(中略)

レッスンを受けているうちに、最初演劇の仕事が取れたんです。そうしてデビューをすることになりました。その時20歳だった。

(中略)

- 韓国に来たきっかけはありますか?


日本で俳優活動中、いくつかの映画を見ました。特に韓国映画に感銘を受けたのですがそれらの作品は、当時まだ韓流ブームが日本に始まる前で、パク・チャヌク、ポン・ジュノ、キム・ギドク、イ・チャンドン監督たちの作品です。俳優たちが演技が優れたし、監督の演出力が、当時の日本映画にはない雰囲気というか、スクリーンから溢れ出る力をたくさん感じました。


そのような映画がどのような現場で生まれるのか見たくなったんです。 2006年3ヵ月間、延世大に短期留学してから、2007年から本格的にソウルで生活することになりました。そうするうちにオーディションを通じて「花火のように蝶のように」という映画に初めて出演す​​ることになったし、それが今に繋がっています。


- 実際に韓国に来てみるとどうですか?日本映画の現場と韓国映画の現場の違いは何ですか?


一度の撮影期間が長いです。日本では、通常、大きな映画であっても、一ヶ月以内に撮るのですが、韓国は2-3か月が普通で、私が出演した映画「大」は6ヶ月以上。こんな映画は日本ではありません。撮影期間が長いから、スタッフと俳優たちとのコミュニケーションが良いようです。そしてバプチャ文化、多勢で一緒にご飯を食べるのがとても良かった。


日本はバプチャ文化がなく、お弁当文化じゃないですか。俳優同士別に食べて、他のスタッフと話をする機会がないが、韓国ではバプチャを介して一緒に食事してそれとともに生じる絆というか作品を一緒に作っているという感じをたくさん受けました。このようなものを感じながら、韓国で活動しなければと決心しました。


- いくつかの作品に出演しましたが、役割を見ると、日本人が多く、それも悪役がほとんどですね。限界でしょうか?それをどのように感じておられますか?


そうです。歴史物、時代劇が多いです、コスチュームを着用して、みんな自分たちを見れば悪役と思う。実際には、私も現代物に多く出たい。機会があれば、コメディもしたい。まだ母国語ではないので発音の限界もたくさんあって、私の克服すべき課題だと思います。どうせ韓国で活動している以上、韓国人の役割をするのが夢です。


- 本人が出演した映画の中で記憶に残る映画は?


そうですね。日本で10月7日に公開された北野武監督の映画「アウトレイジ最終章」を日本で撮影したが、フィルムで撮ったのです。最近では、みんなデジタルでしょう。フィルムに撮るには多くの準備が必要なのです。リハーサルもたくさんしてね。しかし、北野監督の現場は正反対でした。リハーサルも多くない状態で即席で入って行きます。


俳優たちの緊張感は言うまでもないでしょう。私だけでなく、日本のベテラン俳優たちもすごく緊張しました。そこで、デジタル映画では見ることができない風変わりな場面が出てくると思います。本当に貴重な経験をしたようで記憶に残ります。


昨年封切りしたキム・ギドク監督の「ストップ(STOP)」に出演しました。日本の原発問題を扱った映画だが、キム・ギドク監督が脚本、撮影、演出、照明まで一人でしています。俳優として尊敬する監督の作品に出演したことも光栄です。大変でしたが、本当に良い経験になったようです。記憶に残る作品というよりは、今後、私の俳優生活をしながら、このような作品をまたすることができるかという点で多くの記憶に残ると思います。

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