第11話 リヤ充とはこんなにも騒がしい……。

「そう言えばさ?妹ちゃん達の名前って何?」


肉じゃがを食べながら清水が聞いてきた。


「じゃあ改めて自己紹介しますね!」


妹達が席をたち自己紹介を始めた。


「私の名前は伏見水無月です。」


「私の名前はね!伏見皐月だよ。」


二人は自己紹介が終わると席についた。


「じゃあ私も自己紹介するね。私の名前は清水榛名だよ。よろしくね。」


「おい、おい。清水さんよ、まだ自己紹介が足りてないんじゃないのか?」


首をかしげながらこちらを見てくる。


「オタクでストーカーで元トップカーストだったことだよ。」


「誰がストーカーだって!?」


そんなこんなで雑談をしていた。


「ねぇ、結局どうするの?大鳥君のこと?」


「どうするって言われてもな、何も思い付かないんだよな。」


清水と俺が悩んでるいると妹達が話しに入ってきた。


「そう言えば今週の土曜日に体育祭があるんだっけ?」


「お兄ちゃんは何かやるの?」


「ふふ!俺はな!体育祭に参加しなくてもいいんだと!」


ドヤ顔で妹達に話してやった。


「え!?あれって必ず参加しなくちゃいけないんじゃなかったけ?」


清水、お前って本当にわかんないやつだな………。


「清水さん、言わないであげてください!お兄ちゃんだって、お兄ちゃんだって参加したいに決まってるんですよ!」


「だけど!お兄ちゃんが参加したところでクラスの雰囲気が災厄になり挙げ句の果てには負けたのをお兄ちゃんの正にされかねないんですよ!」


「おい!妹達よ!流石のお兄ちゃんでもそろそろ泣くぞ!」


ツッコミを入れたとき妹達と清水は笑った。


いや、笑い事じゃないからね。割りとマジでお兄ちゃんのガラスのハートが砕け散りそうになったからね。


「そんな事よりさ、大鳥君の事を考えようよ。」


そんな事より……だと!?俺が体育祭を出ないのがそんな事よりで済まされてしまうのか?


「でさ、具体的な例で挙げるならやっぱり、一空さんに頼むしかないよね?」


はは、そんな事よりだってさ、そんな事より……。俺ってそんな事より程度で終わらせられる人間なんだ。


「て、聞いてるの?お~い、伏見くん!」


そう言うと清水は俺の頬を両手で叩いた。


「っ!痛って、何しやがる!」


「あんたがまともに話を聞かないからでしょうが!」


え!?今こいつ何か話してたのか?気づかなかった。つい、自分の世界の嫌なことをデリートしてたからな。


「だから、大鳥君のことで具体的な例で挙げるならやっぱり一空さんに頼むしかないよね!」


頼み込むか、それが出来ればこんなに悩んでないんだけどな。


そもそも、俺達が頼み込んでどうこうなる話じゃない。


一空さんがとか言う話じゃなくて、その近くにいる山寺やイケメン(笑)達が面倒だ。


「多分だけどな、頼んだところで何の意味もないぞ。山寺達がいる限りな…。」


「どうするのよ!」


大鳥を助けるのなら山寺達を納得させられる理由がいる。


「納得される理由が何かあればな~。」


「納得させられる理由ねぇ~。あ!そうだ!」


清水は何かを閃いたように手をあげる。


「ならさ、体育祭で勝負するってのはどう?」


勝負て、一世代前の少年漫画かよ……。


「具体的な例で何かあるのかよ?殴り会いでもするのか?」


「え、えっと、具体的な例はないです……。でも、リヤ充てさ、何て言うの、勝負みたいなことが好きじゃん!」


そうなのか?勝負が好きなのか?


「ま、そんな勝負出来るような行事何てないよな。」


行事か、そう言えば何か会ったよな?


「ねぇ、勝負だけなら出来る行事が今週あるんだけど。」


「どんな?」


「ま、伏見くんには関係ないけど体育祭があるじゃん。」


そうか!体育祭、勝負、騒がしい、イベント、リヤ充。


「それだ!体育祭、勝負お前いいこと言うじゃん!」


「え、あ、ありがとう。でも、体育祭で何やるの?」


俺は満面の笑みを浮かべた。


「安心しろ。絶対にあのリヤ充共を俺達の土俵に引きずり出してやる。ま、でもその前にやらなきゃいけないことがある。」


「やらなきゃいけないことて、何?」


「ああ、それは明日教えてやるよ。放課後に俺の教室に来い。」


「ん?どういう「お兄ちゃん!」」


清水が話している時に妹の皐月が割り込んできた。


「そろそろ遅いから清水さんを送っていたあげなよ。」


「あ、本当だ。私そろそろ帰るね。」


「お兄ちゃん、ちゃんと送っていってね。」


水無月さん、何で俺が送ってかなきゃいけないんですか?


「や、だからこいつの家は隣だし歩いて一分ぐらいなんだぞ!」


「「うるさい、お兄ちゃんはちゃんと送っていかなきゃ家に帰ってこないでね。」」


「何で、二人で言うんだよ!わかったから、わかったから機嫌直せよ。」


妹達は当たり前だというかのように、ため息をついた。


「さっさと行くぞ。」


「え、わかった。」


俺は清水を家まで送り家に帰ってから妹達と話をして布団に入った。

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