第7話 何故お前がいる?

「ほう、相変わらずの遅刻ぶりだな。」


待たしても清水のせいでホームルームに遅刻した俺は担任の西ノ宮夏川先生に怒られてしまった。


「これはですね!学校にはいたんですよ!でも、少し急用ができてしまってですね!」


言い訳は聞かんとばかりに拳を引き、みぞおちに拳をねじ込んできた。


「グハ!またこのパターン。」


「今回はこのくらいで許してやる。次はないと思え!」


それでも貴方は女ですか?


「じゃあ席につけ。ホームルームを始めるぞ。」


……………………………………………………


「以上で今日の授業を終わりにする。」


周りは「やっと終わったよ」だの「今日どこ行く?」だの言っている。


そこで一躍目立っているのはやはりと言っていいだろう。


イケメン(笑)と山寺たちである。


「でさ~、そいつらがさ。」


「嘘!そんな事が会ったの?」


キモチ悪い。何故あんなことが会ったのに今でもあんなに仲がいいんだ?


「ご、ごめん。待たせた。」


隣のクラスから一人の人物が入ってきた。


「おそ~い、何やってたのよ!パーシーリー君!」


そこにいた人物は朝にあった大鳥栞奈だった。


何であいつが?それにしてもあいつら今パシリとか、言ってなかったか?


「ちょっと喉乾いたからジュース買ってきてよ。」


「私やだよ。そうだ!パシリ君が言ってきてよ!」


「え、う、うん。わかった…。」


大鳥は顔を伏せていた。そして、そのまま教室を出ていった。


「いや~本当にパシリがいて助かるよな!」


「パシリとか、笑えるんですけど。」


笑えねぇ!あんなクズ共のためには働かされるなんて絶対にあっちゃいけない。


俺は教室を出て大鳥の後を追おうとした。


「ちょっと待って!何するつもり?」


清水が話し掛けてきた。


「あ?あの大鳥て、子に少し助言をしようと思ってな。」


「止めといた方がいいと思うけど。」


何故?あんな奴等のために働かされてるのにか?


「彼は助けてくれなんて言ってないのよ……。私は一度彼に尋ねたことがあるの。何で私達の言いなりになってるのかって。」


「どおせ、権力に逆らえないだけだろ?」


清水は首を横に降った。


「違うのよ。実はあの中にいる一空光さんの家と交流があるらしんだけど、一空さんの家が大鳥君の父親の仕事先の上司みたいなのよ。それで……。」


父親に逆らうなとか言う命令をされてるってことか。


「チッ!胸くそ悪い話だな。」


「だから私達がどうこうできる話じゃないのよ。」


なにも出来ない訳じゃない。でも、それをやってしまったら今度は大鳥の親に迷惑がかかる。


「そう、だな。」


「悲しい話だけどね……」


「はぁ。俺は先帰るは。買い物しなきゃだしな。」


そう言うと俺は清水から離れて学校を後にした。


「さーて今日は何にするかな。確か今日はジャガイモが少し安くなってたはずだな。」


ひとつ言い出そうか。最近野菜の値段が高くなってるんだが。全く野菜ひとつでも選ぶのに時間がかかる。


全くいつも料理してる主婦の皆さんを尊敬するは。


「今日はカレーにするか。」


……………………………………………………


「で?何でお前が家に居るんだ?清水さんよ?」


「あ、あはは!」


「あはは!」じゃねーよ!俺のマイスイートホームをお前の足で汚すんじゃねえ!


「「お兄ちゃんお帰りなさい!」」


「おう。妹達よ。ただいま。と言うか今日は早いんだな。帰ってくるのが。」


「えへへ!まぁね!」


ああ!やっぱり俺の妹達は女神だ!


「でだ!これを説明してもらおうか?妹達よ!」


「えーっとね!清水さんて、一人暮らしだしたまには誰かと一緒に食べた方が美味しいと思って誘った!」


「はは!脚下!そもそも俺は可愛い妹達のためにご飯を作っているのであって断じて他人に食わせるために作ってるんじゃない!」


清水が顔をひきつらせながら話してきた。


「やっぱり私帰るね!」


「お兄ちゃん最低ね!女の子をいじめるなんて!嫌い!」


な、何でって!? 妹が俺のことを嫌い?


「わかった!ご飯でも、何でもいいから嫌いにならないで!」


「嘘だよ!お兄ちゃんを嫌いになるはずないじゃん。」


そ、そうか。嘘か!良かった!


俺は胸を撫で下ろした。


「はぁ。しょうがねぇし食ってけよ。」


「え?でも、」


「いいから!食ってけ。」


清水の言葉を制止した。


「わ、わかった。じゃあお言葉に甘えて。」


こうして俺は清水と夕飯を共にすることになった




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る