冬×決意

 あの頃……そう、冬頃から彼が映画部長と一緒にいるところをよく見かけました。二人はただ話しているだけではなく、少し、少し距離が近いように感じました。


 映画部長は綺麗ですし私の部長によると勉強もできるそうです。才色兼備と言っても問題ない人が彼に近づいている。その事実だけで私は胸が張り裂けそうになってしまいました。


 どうしようもないくらいに私の恋の芽が育ち、綺麗かどうかはわかりませんが、花を咲かせてしまったことは確かなようです。この花をどうするべきなのでしょうか。


 枯らしてしまうことも、摘んで花瓶に飾ることも、押し花にしてしまうことも、はたまた何もせずに咲かせ続けることさえできます。しかし、咲いた花には意味がある、そう思いたかったのです。


 私は彼ともっと話すことにしました。私は花をもっと育ててみることにしたからです。栄養をあげて、綺麗で大きな花になると信じて。



 ―――――――――――

 17.7/19 時系列が変だったため訂正しました。”諸根いつみ”さんありがとうございます

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