文学少女の恋文

坂本ゆうき

モノローグ


 私は一通の手紙を書きました。


 それは時代錯誤かと聞かれれば、十人が十人口をそろえて「はい」と回答するであろうことは確かでした。


 しかし、かといってその手紙を渡したことが間違いであるのかと聞かれれば、それぞれが異なる回答をしてくれるであろうことを祈っています。


 中にはその手紙……である恋文、ラブレターを素敵だとロマンチックだと言ってくれる人がいるかもしれなません。


 だから私は私の手紙という選択肢が誤りでないことを信じて待つことしかできません。



 彼がそのように感じてくれる奇特な人だと。

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