無意識に引き込まれる魅力

Twitterのハッシュタグからのものです。
読了後してから評価するつもりでしたが、その必要はありませんでした。
3話まで読みましたが、少ない文章でも情景が浮かぶ表現力によって描かれた、成田良悟さんの作品のような現実とは少しズレた日常を持つ世界での群像劇、とても魅力ある作品です。
これからも読み続けていきたいと思います。

もし敢えて欠点を上げるとすれば、それはこの作品の魅力でもある雰囲気ある作風でしょうか。
スナッチという映画がありますが、私はこの作品はそれに近い、本当に雰囲気を感じながら読む群像劇だと感じました。
下手な説明などなく、散りばめられた描写から状況を理解していくという、少し情報処理能力を必要とする高度な文体と言えないこともないのかもしれません。
私は1から100まで懇切丁寧に説明するような作品より、そういった読む中で自然と世界観を理解していくことができる作品の方が好みです。
しかし、そういう作品が好みに合わない人にとっては、もしかしたらそれは長所ではなくなってくるのかもしれません。

いずれにしても、極めて洗礼された作品だと感じました。
僭越ながらこれをもって、レビューの締めとさせていただきます。