え? 海賊王じゃなく?

「あたし、ツンデレになります! ……で、ツンデレってなにすんの?」
 この段階ですでに面白い。
 片思いの彼が、「ツンデレっていいよね」と、友人に相槌を打っているのを聞いてしまったチャコは、自らツンデレになることを宣言。だが、肝心のツンデレが分からない。
 恋する彼のハートを射止めるために、犬系関西弁女子のチャコは、ツンデレを調べることから始める。

 だいたいの男性読者は、もうこの辺りでチャコにやられちゃってることだろう。
 勘違い女は腹立たしいが、恋する勘違い少女は見ていて微笑ましい。

 勘違い→空回り→大失敗と、チャコの恋のドタバタは続く。きっとしばらく続くことだろう。

 ただ、ひとつ。
 欠点といったら大げさだし、難点というほどのものでもないのだが、作者は会話文たげを集めて書くスタイルをとっている。これは長編の「Strange・Ace」でも同様なのだが。

「おはよう」
「おはよう」

 みたいに。
 これ二人だけのダイアローグだと問題ないが、ここにもう一人加わって三人で会話すると、だれがなにを言っているのか、読者はしばし考えることになってしまう。が、まあ、これは些細なことかな。

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