たおやかに烈しい花の嵐

 作者さまの作品、いつもうっとりと拝見させて頂いています。今回あらためて読み返したくなり、こちらのお話を開きました。
 文章そのものは抑制された落ち着きとしずけさ、そして花びらのようなたおやかさに満ちているのに、その裏にひそむ恋は苛烈。淡いヴェールの陰からちらりとほの見えるこのあざやかさに、ぐっと心惹かれます。
 「ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」。個人的に、この歌がぴったりだなあ、と感じられる、たいへんうるわしいお話でした。

その他のおすすめレビュー

うめ屋さんの他のおすすめレビュー26