ゆいちゃんだらけ!

阿礼 泣素

プロローグ

「ゆいちゃんはかわゆい。」

それは火を見るよりも明らかだ。

もはや、この世の理といっても過言ではないだろう。

え? それは過言だって?


……しかし、考えてみてほしい。

アニメ化によって女子バンドブームを巻き起こした、某バンド漫画のメインキャラクターの名前を!

某ハーレム漫画の黒髪ロングで委員長キャラ、しかもツンデレなあの娘の名前を!

そして、あなたの初恋の相手の名前を!

おっと、それはゆいちゃんであるとは限らないか……


とにもかくにも「ゆいちゃんはかわゆい」


そんなゆいちゃんが集まったらどうなるだろうか。

そんなことありえない?


――その通り。


 そんなこと、普通はありえない。


――でも、

――もしも、仮に、

――ありえたとするなら?


「ゆいちゃん」の「ゆいちゃん」による「ゆいちゃん」のための世界。

 これはそんな夢のような世界での少年の冒険記。

 もちろん「ゆいちゃん」の世界に例外はない。

――そう。

少年もまた「ゆいちゃん」なのだ。


さあ、物語を始めよう……

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