第51話 2つめの大迷宮

 テントを張り終えた空太達は野営地に来る前に寄った露店で買ったご飯を食べるとそのまま眠りに落ちた。翌朝、目を覚ました空太達は簡単な食事をとると準備を整え大迷宮『アレント』へと歩いていった。アレントの入り口まで行くと空太達と同じようにこれから迷宮に入る冒険者や反対に出てくる冒険者の姿が見えた。


「よし、行くか」


 空太はすぅっと息を吸い深呼吸をするとフォーチュンとルナに声をかけアレントの中に入っていく。それに続いて2人も入っていった。中に入ると壁に松明の取り付けられた道が続いていた。しばらく進むと曲道の先からゴブリンの群れが目に入った。


「雷撃」


 ルナはゴブリンの姿が見えるとスキルを発動させ雷撃を放つ。ルナの放った雷撃が群れのうちの1体に直撃すると直撃したゴブリンは小さくうめき声をあげて魔石へと変わる。突然の攻撃に驚きながらも他のゴブリン達はそれぞれの手に持っている剣を構え空太達に向かって走り出す。ゴブリン達が近づくまでの間に空太はナイフを抜き構える。ゴブリン達は空太達に近づくと先頭にいる空太を睨みつけながら剣を振りかぶる。振り下ろすその瞬間、空太の足元から電気うさぎが飛び出すと体がぴかっと光り出す。電気うさぎの発光が目に入ったゴブリン達は空太の方から顔を背け振り上げた剣を闇雲に振るう。


「いまのうち」


 空太は少し後ろに下がりゴブリンの剣をよけると体勢を崩したゴブリンにナイフを突きつける。すると急所を突いたのかゴブリンはそのまま魔石へと変化した。


「あと1体……」


 空太がもう1体のゴブリンの方を見た瞬間「えいっ」の掛け声と共に鈍い音が聞こえ杖によって顔を変形させるゴブリンの姿が目に入った。杖で殴られたゴブリンはそのまま元居た方向へと飛んでいくと小さくうめき声を出しながら魔石へと変わった。


「お疲れ様。この調子で進んでいこう」


 空太はそう声をかけると魔石を回収する。回収し終えると空太達は2層への階段を目指し歩みを進めた。


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