第3夜

 あ、おはよー。

 電車で一緒になるなんて、珍しいね。

 ほんと、毎日混んでて嫌になるよね〜。

 東京はこれだからなぁ。

 あ、そうそう。

 昨日さ、車内で女子高生が話してるのたまたま聞いちゃったんだけど、それが最悪でさぁ。

 私、これからちょっと電車乗る時はうつむいてようかなって。

 え?

 なんでかって?

 それがさ、満員電車のガラス戸を見た時に、車内に居ない人間が写ってることがあるって言うのよ。

 まぁ、気づかなければ案外大丈夫らしいけどさ。

 気づいちゃったら最後、今度は自分がその存在になっちゃうんだって。

 まぁ?

 都市伝説とか?

 それ系の話なんだろうけどさ。

 なんかさぁ、気味悪いじゃない?

 …ん?

 どった?

 顔、青いけど…

 ちょっと、ちひろ?

 ちょっとって…あれ…

 あ、ごめんなさい、人違いでした…


(私、誰かと話してたはずなのに…)

(確か、女子高生が話してた都市伝説ぽい話をしてたはずだよね…)

(誰と?)

(この中に知り合いなんて、居ないよね…)

(この車内に…あ、あれ、ちひろ?)

 え…うそ…写ってるのに、居な

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