尖り続けた狂気の先にあるものとは?

本作品を一言で言えば、尖り続けたナイフのようなものです。

その為、時に読むこと自体に恐怖を感じる場面も少なくありません。ですが、それでも惹き付けてやまない魅力というものがちりばめられていて、それが何かというのを感じ取るという、不思議な作品でもあります。

物語は、一人の男の人生を描いた物ではなく、人間のありえる姿を一人の男をフィルターとして描いた作品だと思います。

そのため、あらゆる人間の感情に晒された男は、まるでナイフになるかのごとく尖り続け、やがて生きた狂気になっていく過程が恐ろしくもあり、だからこそ本能的に惹かれるのではないでしょうか。

ただ、それでも最後に求めたものが、ある意味で人間を語っているとも感じました。

それが何か、ぜひ一読されて確かめてみてはいかがでしょうか?

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