第6話:旅立ち

江戸を立つ日がやって来た。長屋の子供たちが折り鶴を折ってくれた。

子供たちの泣き顔を見ると、旅立つのに何か心残りがあった。

きっと帰ってくるとは、言ったものの・・・、向こうで何が待ち受けているのか、定かじゃない。隣のオバさんが、

「お蝶さん、清ちゃんと末永く幸せにね・・・」

おいおい、別に、お蝶さんと結婚する訳じゃないンだ。

「ありがとうございます。」とお蝶は頭を深々と下げた。

それじゃ・・まるで・・・名残惜しいが、源内先生たちも待たせていると言うことで俺たちは長屋を後にした。

そう、恐らく、もう二度とここには戻れないだろう・・・



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