愛しの貴女に送る言葉。切ない短編がここにありました。

夫が妻へ送る手紙のように物語が紡がれています。

読み手にじんわりと沁みる話口調がまた感動を引き寄せました。
兎に角、悲しい物語と思います。救われぬ作風としての完成度は高く、冒頭から静かな悲しさが漂い、どこでも泣けてしまえると思いました。

起伏を期待してしまった私は最後まで救われぬ雰囲気に涙するまでは至らなかったのですが、優しい口調で綴られる物語は絶賛の一品。

もしかしたら、作品には書かれていませんが子々孫々と彼の気持ちが受け継がれていたりするのかもしれません。ただのパッピーエンドでは終わらない。

そんな、つばきさんらしい一面を見れたような気がしました。

心に残る作品。ありがとうございました。

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