宗教的原理主義派が支配するアフリカの小さな街で第四フェーズ

 広場の中心の噴水の脇に停車していた、小型の四台のラジコン戦車・ピューマは、急に、糸が切れた踊る人形のように狂い、動き出すと、IFFバッジを付けていない、人間、移送並びに、移動が確認された動くもの、ある一定の熱源を有するもの。それらすべてをFOEと認識し全火器をオートマティックにし無制限に殺戮し始めた。

 広場の周囲の建物を掩体にして隠れていた、FOEは次々と射殺されていった。機銃は無制限でシュートアウト。ミサイル管からは、ロケット砲が発射され、FOEの隠れる建物ごと破壊していった。

 負傷し広場に倒れたままで、まだ息のあったフェルマー中尉の部下も容赦なく殺された。

 何度も、5.56ミリ、7.62ミリ、12.5ミリ、各種銃弾、曳光弾、炸裂弾、榴弾、擲弾で人の形をとどめないまで粉砕されていった。

 人の形は画像認識で最も認識すべき最重要物体として、このラジコン戦車には捉えられ

人の形をとどめなくなるまで破壊され尽くす、なぜなら、人は撃たれて倒れても死んでいるとは限らないし、負傷しても座ったり寝たまま射撃することも可能だ。

 人の形でなくなるまで、銃撃で粉砕する。これで、最終的に解決することになる。

 負傷も何もしていなかった、フェルマー中尉のライフル小隊の隊員の幾人かもIFFバッジが作動せずに、もしくは、その電波をラジコン戦車・ピューマが受信できないだけで味方の兵器によって惨殺された。

 理由はただ一つ、そういう風に設計されている兵器、機械だからだけである。

 ラジコン戦車・ピューマは、走り回り、位置を変え、射角を変え、逃げ惑ひ命乞いをする人という存在すべてを殺戮した、人の形がなくなるまで。

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