本作品の用語集

サン=ミゲル諸島

 この物語の舞台となる国。東インドの隅にある群島。十六世紀にスペインの宣教師が到達し、大天使ミカエルに捧げられた。「ミゲル」の名前はそれによる。現在、スペイン統治下にあり、総督府がおかれ、副王が元首として君臨している


ジェン紙幣

 総督府が発行する紙幣。総督府と副王の権力低下に合わせて、その価値は暴落の一途をたどっている。


ワクワク

 サン=ミゲル諸島の先住民。茶色い肌と黒髪、低い背丈が特徴。最下層の民族として忌み嫌われる。


コーカシコス

 コーカソイドの意。白人種。


一滴の血

 先祖に一人でもワクワクのいる人間の事。外見が白人種でも、それだけで蔑まれる。


エル・デルタ

 サン=ミゲル諸島にある港町。奴隷貿易で栄える。大商人たちの自治によって運営されている。その名前は「三角州の街」の意。


エリアール

 ワクワクたちの故地。砂がちの不毛地帯。数年ごとに飢饉が起こり、その度に大量のワクワクたちが奴隷として輩出される。その名前は「何も生み出さない荒れ地」の意。


ロス・カバジョス

 大山脈の盆地にある馬車の街。数えきれない程の馬車と悍馬かんばを所有する氏族の王によって統治されている。流通を支配する大勢力の街。その名前は「馬たちの街」の意。


エル・マール・インテリオール

 サン=ミゲル諸島の中にあって最大の内海。東西に長く、波低き海。そのため、海運が盛んにおこなわれる海だが、海賊も大量に住む。その名前は「内海」の意。


エンコミエンダ制

 スペインの植民地支配制度の一環。スペイン王室から一定の先住民を「委託」された人物は、その先住民をキリスト教に改宗させる義務の代わりに、その先住民に労役を課して収益を上げることが許された。

 実質上、奴隷制度として機能した。


エンコメンデロ

 エンコミンダの権利を持つもの。事実上の奴隷主。


奴隷

 物として扱われる人間の事。人身の自由はなく、所有者が使用、収益、処分する権利を持つ。


奉公人

 期間限定の奴隷。契約期間が切れると放逐される。給料は一切なく、契約を途中で解除することもできない。


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