雨と花に恵まれて

とても素敵な作品に巡り逢えました!

昭和初期という時代を舞台に、兄、秀一郎と、幼い妹、恵子の成長の物語です。

言葉の表現がとても素敵で、雨の描写、花のスケッチ、2人の想いが、直に伝わってきました。
読みながら映像が浮かんでくるような、表現力の高い作品です。
たくさんの花が出てくるのですが、カラフルな感じではなく、この時代にあったような落ち着いたトーンで全体を包んでいます。

また、4話構成のストーリーは、子から成人して大人へと次第に成長していきますが、外見だけではなく、内面の成長・彼らの想いが、しっかりと描かれています。

とくに後半、3〜4話のストーリーは、胸が締め付けられるような、切ない気持ちになりました。

深く考えられたストーリーで、長編として読みたいと思う素敵な作品です。
おすすめです!

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