第3話


「こいつ?僕の彼女」


そう言い放ったそいつは何故か得意気な顔をしてこちらを見ている。


何なんだ…誰だよ君…



「えー、なにそれー聞いてないしー」


「あ!こんな奴らほっといて駅前のビルに新しく入った可愛いアクセがたくさん置いてある店いこーぜ!」


そう言いながら嵐のようにギャルビッチたちは去っていった。



相変わらずイケメン君は私の方を見ている。


「どーしたんだよ、冷たいじゃないか」


ほんとに彼氏面をしてるよこの人。。。


そもそも私には彼氏にする予定の幼なじみがいるんですよ?

私が女子校に行ったせいで高校でスクールラブとやらにはありつけなかったけれど、保育園から中学まで一緒でずっと好きだったんです…////


保育園の頃は手を繋いで遠足に行きました。

お弁当も一緒に食べたし、バスの席も隣で、あいつの絵日記には私が描かれていたんですよ?強くないっすか?

それなのにこの男は…


「私にもう関わらないでくれるかな?」


「ほんとに気づいてないのか…」


ボソッと言った彼の言葉を私は聞き取れなかったけど無視した


「そーゆーことだから!さよなら」


踵を返して大股で歩く聡子を彼は止めようともせずただ悲しそうな目で見ていた

桜の花びらは絶えず風に運ばれていく



足速に歩きながら聡子は友だちと約束しているカフェに向かった。

ふと、誰かに見られている気がして足を止めて周りを見渡したが、人影もなくただ風が木々を揺らす音だけが耳に聞こえてくる。


「(まぁ、こんなとこに人なんてそうそういないか)」


聡子はカフェのメニューを思い浮かべながらまた足速に歩き始めた





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