汚染された未来の地球で、主人公と恋人は青い海の再生を夢見ている。簡潔な文体と美しいモチーフ、そして、胸が詰まるようなシーン。とにかく美しい恋物語。
イギリスに住んでいます。 短編『ヤムシラの林檎』と『砂糖はいかが。』は、やや系統が似ていて、食べ物から見るイギリス史。 『お片づけの依頼はエルムバンクま…
世界では悲劇的なことが起こり、赤い海と化した世界での物語。人魚が流した涙によって海が青くなったという逸話、再び青い海を取り戻すべく全力を尽くす男女。SFジャンルでありながら、昔から語り継がれ…続きを読む
人類の負の遺産で覆い尽くされた未来。干上がった月の灰色の海、汚染され赤く染まった地球の海。絶望に彩られた舞台設定の中で、ひときわ映え煌めく純真な心。心地よく流れるような文体の中で描かれるのは、…続きを読む
人魚は人間の夢の産物だ。そして人魚姫は人間を夢見た。 そんな「人魚姫」を想像していたが、そこはSF。もっと現実的で、科学的な物語でした。しかし切なさは本家の「人魚姫」をしのぐものがありました。こ…続きを読む
読んでいる間、絶え間なく失われた青の存在を感じた。包まれたように、深く淡く優しく、身体を擦り抜けるような青。人魚と聞くと、儚い運命が付随してくる。どうしたって抗えない、哀しみとせつなさが混ざ…続きを読む
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