料理狂いのシンデレラと苦労人な王子の、おとぎ街道ときめきドタバタ珍道中

お城から立ち去ったシンデレラを探す王子様が手にしていたのは、彼女が残していったガラスの靴……
……ではなく、なんと「カボチャの煮付け」でした。

この作品は、一流の料理人を目指すシンデレラが、王子様と共に料理修行の旅をする、おとぎ話のパロディラブコメです。
このシンデレラ、料理以外のことにはとことん鈍感。王子からストレートに想いを寄せられていても、さっぱり気付きません。

そんな二人が巡る先々で出会うのは、お馴染みのグリム童話の住人たちです。
お菓子の家を作りたいツンデレ魔女に、女たらしの笛吹き男。
夢はブドーカンと豪語する、やる気のない音楽隊の動物たち。
自分を攫った魔女を罵倒する反抗期真っ盛りのラプンツェル。
イケメンとキスしたいがために自ら毒リンゴ食らった白雪姫。

誰も彼もが強烈キャラで、どのエピソードも笑いあり、涙ありで読み応えたっぷりです。
コメディ寄りの王道ラブコメですが、ゆっくりペースのラブの方も絶妙で、私は何度も悶え転げました。

この作品、44万字を越えてるんですよ。でもあっという間でしたね。むしろもっと読んでいたい。
登場人物みんなを大好きになり、読み終えてしまったことがとても寂しいです。

シンデレラと王子様は、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。
そんなハッピーエンドの余韻にずっと浸っていたい、素晴らしい物語でした!

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