これは予測不可能なハッピーエンドの物語。――とても、いい。

両親の離婚、そして学校でのいじめの日々――。そんな苦悩の人生を送る少年ハルトは、幼い頃好きだった水族館に8年ぶりに訪れるが……。

『竜宮城の乙姫の正体は、きっと人魚なのだと思う』—―。

上記の出だしがキャッチ―で引き込み方がうまいですね。そして小説全体の象徴的なシーンを冒頭に持ってくるやり方は、何かこなれた印象も。

「なぜ、ハルトには人魚が見えるのか」という最大の謎で物語を引っ張っていくのですが、その過程での、ハルトのルカに対する狂おしいほどの愛情が胸を打ちます。
実際、心の均衡を失ったかのように、誰もが驚く行動にでてしまうハルトですが、その結末はなんと—―。

この結末は予測ができない。しかし荒唐無稽ではなく説得力があるから凄い。

少年の成長、そしてルカの勇気の物語を皆さまも是非(⌒∇⌒)

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